Wish You A Happy Life
降り積もる 雪に未来を 踏む私


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未明の鈍痛

午前三時
ぼんやりと目を覚まし

枕元に転がっていた
ペットボトルの水を飲んだ

やがて
目が覚めていながら

神妙に
寝た振りをする自分に

心から飽き飽きして
いつもの天井を眺めた

酷く、頭が痛い

ロキソニンを飲んでいて
痛むのだから

これ以上は
どうしようもないのだろう

問題は食事の調達

この体調で
猛暑の中をうろつくのは

あまり賢明ではない

けれども、一方で
お腹は減るばかり

まさに
ヤマアラシの何とかだ

頭痛を犠牲にするか
空腹を犠牲にするか

そんなことを
ダラダラと考えるけれど

世の中、もっと過酷なモノと

闘っているひとは
たくさんいるはず

何、食べようかな。

頭痛と夢

今日も朝から

割れるような頭痛と
耳をつんざく轟音が響き

生々しい夢の中から

現実が
五感いっぱいに広がって

目が覚めた

マンションの
改修工事か何かで

ドリルを使って
作業をしているらしい

それよりも不気味なのは

ここのところ毎日
夢の内容を

鮮明に思い出せること

そして、その夢に
家族や思い出のある異性など

親しい、親しかった人たちが
次々と現れていること

覚えていること自体は

眠剤でREM睡眠を
抑制しているので

起きる瞬間と
浅い眠りが重なっても

不思議ではないけれど

内容がなんとも
複雑な気分になるものばかり

毎日、何かを
考えさせられて起きるのも

けっこうハードだな

まだ
過去を見て生きている

もしかしたら
一生、かもしれない。

カミングアウト

自分の中にある
マイナスの要素を

隠して、抑圧して
生きている人とは

僕は上手く付き合えない
ふと、そう気付いた

マイナスというのは

背負っているものでも
辛い過去や事実でも

欠点やコンプレックスでも
過去の罪過でもいい

不名誉なことならば
自ら触れて回る必要はないが

自分自身、冷静に

その弱点なり体験なりを
直視することを避けているのなら

そのひとの周りには
見えない殻が一つできる

どうも僕は
この 「殻」 のニオイが

苦手なようだ

捨てるものが無い人間に
怖いものはない

全てを開示している人間は
僅かな嘘もつけない

その辺りが

僕の
馬鹿正直な性格に

合っているのだと思う

こんな理想論を
いつまでも唱えているから

僕は、ひとりなのかな

バレるとまずいってことは
隠し通すってことは

一生
付き合う気はないんだ

そんな 「お友達」 なら
僕には必要ない

これも極論かな。

肉と恋

焼肉は突発的な恋に似ている。

ふと気乗りがして始まり、最初こそ味も香りも
すべてが香ばしく好ましく大いに楽しむが、

しばらく経つと満腹になって、油が回ったとか、
どこが焦げたとか、もう満腹だとか

それぞれが勝手なことばかりを言い出して
仕舞いには、あれほど愛した肉の味を憎むようになる。

微熱続き

ここの所
暑さで寝起きも悪く

いよいよ
変な夢ばかり見ている

今日は診察日なので
意を決して午後診へ

相変わらず

精神科へ行って
内科だの皮膚科だの

主治医の専門でない
勝手な相談ばかり

しているのだけれど

今日はついに
耳鼻咽喉科になった

右側、扁桃炎の様子を
口を開けて診てもらって

抗生物質と
消炎鎮痛剤を出してもらう

本題のほうは
相変わらず

「ウツです」 を繰り返し

過食対策として
眠剤を調整してもらい

甲状腺ホルモン製剤を
加えたほうがいいですか、と

訊いてみたところで

「じゃあ一回調べよう」 と
採血することになった

診療明細を見ると
生化学検査(Ⅱ)と

もれなく書いてある

ということは
恐怖の中性脂肪やら

コレステロールなんかも
出てくるのかな

企業に属していないと
健康診断が無いから

カラダにとっては
いいことかも知れない

とにかく今は

ものを飲み込めるように
なることだな。

tonsillitis

数週間前から

クスリや食べ物が
飲み込みにくく

違和感を感じたので

携帯の LED を照らし
手鏡を使って覗くと

右の扁桃が腫れて
喉を半分塞いでいる

これでは
飲み込みにくいはずだ

扁桃炎だろうか

それでも、まだ
左側が空いているから

食べ物も食べられるし
クスリも飲めないことはない

そういえば
微熱も鼻づまりもあって

なんとなく気怠い

よく考えてみると
一年を通じて

ずっと風邪を
引いているような気がする

少し、寝苦しいけれど

生きているから
まあ、いいことにしよう。

確かなもの

夜明け前

低い空調の音と
秒針の刻む音だけが

深く、カラダの奥へ

ゆっくりと
浸透していくように感じて

僕は
枕に額を押し付けた

1円も払わずに
手に入れた人間関係を

「ごめん」 の一言も無く
捨てて、捨てられて

それでも生きる毎日

ふと

「確かなものが欲しい」 と
強く、思った

それは

肌の温もりであったり
鮮明な言葉であったり

色々なのだろうけれど

僕のいるセカイには
何ひとつ無いもの

あるいは
手放してしまったもの

苦し紛れの自作自演も

笑って済ませられる程度に
しておけばいいのに、と

自分の不器用さに
呆れ返ってしまい

苦笑いする

すぐに手に入るものは
すぐに失うもの

それが分かっていながら
駆け引きばかりする僕は

一体、何から
逃げ回っているのだろう

「自分自身から」

認めたくない気持ちが
脳裏を掠めて消えた

眠らないと

せめて今日を
ちゃんと終わらせないと。

雨の街へ

多忙な友達の
忙殺の合間を割いてもらい

昨日、終電のあとから
久々に飲んで食べて

各駅停車に揺られながら
帰路に就いた

もう、ずっと

そのままにしてあった
CDを渡して

忙しいなりに

元気で、何故か懐かしい
彼女の笑顔を見られたので

お互いに疲れていて
お酒は進まなかったけれど

とても嬉しかった

電車に揺られる僕に
「雨の中遠くまでありがとう」 と

メールが届いたけれど

お礼を言いたいのは
僕の方だった

雨の日は億劫だけれど

誰かと歩く街は
一人で歩く道より

ずっと楽しくて
心が軽いものだと

僕に
気付かせてくれたから。

夜の雨

相変わらず

僕の周りは
人の出入りが激しい

誰かと知り合ったり

それなりに話をした人が
去っていったり

こんなときには

自らの
人間関係に対する姿勢を

もっと言えば
生き方そのものを

考え直す必要がある

そのことを
僕に気付かせるかのように

夜の雨は
カミナリを大きく鳴らして

盛大に降っていた

別れることが怖ければ
出会うことなんてできない

愛されることが怖ければ
愛することなんてできない

ただ
怖いだけなんだと思う

傷口を抉られるように

ひとつ、またひとつと
何かを失っていくことが

相変わらず
甘くて、弱いな。

門出

去る人を旅立つ人と読み換えて

     ただひたすらに幸を祈らん