Wish You A Happy Life
降り積もる 雪に未来を 踏む私


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笑う迷子

迷い込むのはいつも
過去の時間の中

父がいて、母がいて
弟がいて、友がいて

何ひとつ悩むことなく

平和の中に寝起きする
在りし日の僕がいる

長い年月のうちに

欲しかった自分だけの
家庭を築き

物質的にも当時よりは

遙かに
多くのものを手に入れ

それでもまだ

幸せの何たるかを
分かっていない自分を

目の当たりにする

現実に引き戻されたら
何もかもが消えそうで

この手に抱えている
何もかもが塵のようで

それでもなお

どこへ向かって
この人生を往くのだろう

ふと、笑えたなら
それが今日の始まり

それが
これからも続いていく

明日の始まり。

崩れ去る日常

当たり前の日常が

ある日を境にして
ガラガラと崩れてしまう

そんなことが

本当にあるんだなと
最近になって知った

何年も、何十年も

自分はこんな風にして
毎日を過ごしていくだろうと

そんな風に思っていたら

まるで家電製品が
次から次へと壊れるように

自分の生活も
周りの親しい人の生活も

激動の渦に飲まれていく

そんな中で
昔手にしていた安心を

どこかで掴み直して
確かめたい気持ちになり

懐かしい景色の町を
散歩してみたり

古い友人の写真を
ゆっくり眺めてみたり

色々するけれど

今は、今

過去の自分も世界も
ここには存在しないと

反対に強く
思い知らされることになる

残酷だけれど

人生の本質とは
そういうものなのかも

しれないな。

この目にとまる人を

SNS経由で

一度は袂を分かった
たくさんの人々との

交流が復活した

精神疾患の症状とはいえ
幾度となく失礼を働き

何度も傷付け
迷惑をかけ通してきた人々が

尊敬に値する寛容をもって
僕を再び受け入れてくれる

そのことへの感謝を

これから僕は
どんな形で還元していけるだろう

信用を失うのは一瞬
築き上げるには一生

そんなことを思う水曜の午後

できることならば
もう誰も傷付けたくない

そう思うけれど

弱くて汚い自分自身を
直視することから

すべてが始まる

人を大切に
そして自分を大切に

37歳の誕生日を
明日にひかえて

再びその決意を新たにする

せめて
この目にとまる人だけでも

愛し通せる自分でありたい。

虚飾に塗れて

人の矛盾を突き

返答に詰まった相手が
自己の非に言及せず

オブラートに包むような
体の良い訣別の文句を吐く

そんな苦い場面に
今日もまた立ち会った

異質なものを
受け付けない寛容の欠如

それは

まるで自分自身の潔癖主義を
責め立てるかのように

心の奥深くへと突き刺さる

切り捨てられたのか
切り捨てたのか

それすらも分からぬまま
流されてゆく人間関係

結局は誰もが

自分を一番かわいいと
思っているという盲信

僕はそんな穢れた世界を
許せるのだろうか

虚飾にまみれた世界で
許されて生きられるだろうか

人と人とのつながりは

時としてプラスに傾き
時にはマイナスへと傾く

均衡を保つ力と壊す力

その両方が求められていると
強く、感じた。

忘れ去られる偽悪者

新年を迎え
37歳の誕生日を前に

ひとり、自らに問う

自分の弱さを認めるため
怠惰な姿態を繕うため

ずっと被り続けてきた
偽悪者としての顔を捨て

これから僕は
どこへ向かっているのだろう

鳴り止まない耳鳴りと
鈍い頭痛のその奥に

真実は潜んでいる

真っ直ぐに生きること
憎まれても笑みを絶やさないこと

すべての人間関係と
自分自身を愛すること

そのすべてが叶う日は
まだまだ遠い先にある

回らない頭で
机上の空論を振り回す僕に

現実との対峙は
一切の猶予なく襲いかかる

逃げ場なんて無い
最初から、無いんだ。

自家撞着の先に

深いウツに入ったまま

寝ても寝ても
寝たりない感じの中

目覚めると正午
今日は今年の大晦日

多くの人と出会い
多くの人と訣別を選択し

多くの人に愛されてきた
2015年という一年

たくさんの人の優しさと
僅かな人との誤解や敵対と

繰り返す自家撞着の先に

僕は何を得て
何を失ったのだろう

そんなことを
振り返る間もなく

刻一刻と
時計は今年を葬り去る

「良い一年」とは言えない
怠惰な時間だったかもしれない

けれど

「後悔しない」選択をしてきた
そのことだけは

胸を張って言い切れる

来年もまた
真摯に、前向きに生きよう

愛される人となるために
愛せる人となるために。

正論を吠える狼

目まぐるしく
人間関係が移ろう

SNSの中で

増えては減り
減っては増えていく

つながりを眺めていた

誰かのため
良かれと思った一言が

誰かを傷付けるという
残酷な現実

それでもなお

まるで飢えた狼のように
鋭く誰かの心を抉りながら

僕は正論を吠え続ける

傷付けた人たちが
いつか僕の言葉の真意に気付く

その日まで
僕の戦いは終わらない

誤解されようとも
嫌われようとも

僕は人のために苦言を呈し
誰かのために生きるんだ。

Merry Merry Christmas

今年も
クリスマスが来た

多くの人たちが
楽しそうに過ごす様子が

液晶に走る文字から
伝わってくる

ケーキも無く
プレゼントも無く

平常通りの
怠惰な二日間を過ごす僕は

関わる人たちの
幸せな様子を

心に焼き付ける

人は
自分の幸せを喜ぶことで

幸せになるんじゃない

誰かの幸せを喜ぶことで
本当に幸せになれるんだ

そう、心から感じる

たくさんの人の幸福の上に
自分が生かされている

そんな気がした
また、夜が来る。

残された者の責務

早いもので

母が他界した2009年から
来月で6年が経つ

月忌命日には
毎月お坊さんが来て

母のために
読経をしてくれるけれど

その声を聴くたびに

生きて残された者に
課せられた責務を

痛切に実感する

真摯に生きて

末期患者となっても
周りに笑顔を忘れずに

死の直前まで
弱音ひとつ口にしなかった

愛情溢れる母

その母の死の上に
これから生きてゆく僕は

母以上に
人を愛せる人間に

成長できるだろうか

まだまだ、何かが足りない
欠けているものを補うには

自省と努力が欠かせない

ペットボトルを持つ手が
小刻みに震えた。

大切な人を大切に

SNSで
また新しい人と

友人になった

人と知り合う時には
いつでも

その人を傷付けてしまう
そのことだけが怖い

優しいものは怖いもの

知り合う相手が
優しい人であればあるほど

自分自身にも
誠実と寛容が求められる

大切なひとを大切にする
ただ、それだけのことが

こんなにも難しいんだと
交流が広まるたびに思う

もう誰も傷付けてはいけない
そう心に誓うのは何度目だろう

やりとりする文章の端々に
思いやりと切なさが光って

僕はまた孤独と対峙する

さあ、新しいつながりの
始まりだ。

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