Wish You A Happy Life
降り積もる 雪に未来を 踏む私


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現実と受容

今年も無事に
誕生日が過ぎて

47歳になった

妻とふたりの生活は
相変わらずカツカツで

赤字を出すたびに
年甲斐もなく父に泣きつき

そのたび

次はもう無いぞと
叱られているけれど

月の生活費が

40万円あろうと
半分の20万円になろうと

人生は続いていくし
毎日、朝は来る

大切なことは
現在を受容すること

何はなくとも
決して心は腐らないこと

それだけだと思う

とは言ったものの
時代も、日本も、家計も

かつては

こんな風では
なかったんだけどなあ、と

どうしてもどこかで
思ってしまう

あと少し、もう少し
今日も頑張ろう。

笑う迷子

迷い込むのはいつも
過去の時間の中

父がいて、母がいて
弟がいて、友がいて

何ひとつ悩むことなく

平和の中に寝起きする
在りし日の僕がいる

長い年月のうちに

欲しかった自分だけの
家庭を築き

物質的にも当時よりは

遙かに
多くのものを手に入れ

それでもまだ

幸せの何たるかを
分かっていない自分を

目の当たりにする

現実に引き戻されたら
何もかもが消えそうで

この手に抱えている
何もかもが塵のようで

それでもなお

どこへ向かって
この人生を往くのだろう

ふと、笑えたなら
それが今日の始まり

それが
これからも続いていく

明日の始まり。

悪足掻き

例年のように
蝉の声は容赦なく響き

夏風邪もしっかりと
訪れては去っていき

我が家の金欠も遂に
笑えない状況に突入した

夜毎せっせと
アプリでポイントを稼ぎ

深夜のスーパーで

値引きのお惣菜を
見つけては買い漁り

右も左も分からないまま

証券会社に口座を
開設してみたりして

悪足掻きがどれくらい
通用するものかと

憂鬱を腹の底に落とし込む

大丈夫
まだ何とか生きている

いざとなったら
他にも道はまだあるさ

そんな風に自分を
慰めているようでいて

実は
考えることに疲れてしまい

もう何も考えずに
ただ眠りたいだけ

なのかも知れない

目が覚めた直後は
きっと最高の気分で

そんな風にして
今週もまた過ぎていった

ほら、やっぱり

病人の人生は
結局、下り坂だよなんて

僕はまだまだ
認めたくないな。

夏まで一歩

寝苦しい夜は

過ぎ去った遠い過去の
出来事が交錯して

いまここにいる自分は
一体、何者なんだろうと

現実からふわり
心細い心が浮き上がる

生きていくということは

何かを手に入れながら
何かを失い続けることで

そして

その先に待っているのは
一体、何だろう

人々の記憶の中にだけ
僕が生きた証が残るのなら

せめて僕は
誰よりも優しくありたい

そして誰よりも
真っ直ぐに走り抜けたい

なんだ

昔から考えていたことと
結局、何も変わっていないな

今年も夏は目の前。

体験と笑顔

妻に初めてのことを
たくさん体験させてあげたくて

今月は色々な場所へ
出かけている

行ったことのない
初めての動物園

ネパール人が出している
本場のインド料理店

初めて映画館で観る
ドラえもんの映画作品

近場にあったけれど

一度も行ったことがなかった
初めてのファミレス

妻が毛嫌いしていた
深夜の牛丼チェーン店も

すっかり好きになったらしい

貴方から
沢山のことを教わりました、と

そう手紙に綴ってくれた
母の気持ちを思うとき

最愛の妻もまた

僕と過ごす日々から
何かを心に受け止めて

いつの日にも
それを笑顔と力に変えて

生きていってくれたらと
願わずにはいられない

僕ができることは
たぶん、それほど多くない

だから

後悔しないように
毎日をただ、精一杯

前に進むんだ。

正門へ続く桜道

母校の正門へと続く
長い上り坂の夜桜を

妻とバイクで見に行った

夢中で写真を撮る
楽しそうな横顔を見ながら

春には両側に
桜が満開のこの道を

新入生たちが
楽しそうに登校する風景を

瞼に思い浮かべた

毎年同じような
景色ではあるのだけれど

ここは自分の心が
帰る場所のひとつなので

ただ眺めていて
とても落ち着いた気持ちになる

ここ数日

ぐっと暖かくなって
心穏やかに過ごせていることに

感謝したい。

明日が来るまで

一日一食
どうにかこうにか

炭水化物の塊を
大量に頬張っては

空腹を満たし

それでもお腹が空いたら
申し訳程度に

カップ麺を食べて
水を流し込む

年金生活を
続けていくならば

いつかはそんな生活に
なるとは分かっていたけれど

いざ実際
そうなってみると

経済的に
比較的恵まれていた

不自由のない人生も

いよいよここで終わりかと
世を儚く思う

空腹感というものは
こうも認知を歪ませ

人を追い詰めるものかと
妙に感心したりする

スーパーへ出かけて
値引きのお惣菜でも

買ってきたいところだが
贅沢だろうか

我先にと奪い合う
お客さんたちもきっと

似たような境遇
なのかもしれない

明日が来るまで

ただ
明日が来るまで。

共に往くひと

「優しさ」というのは
相手が笑っているときに一緒に笑えるということであり

相手が泣いているときに
一緒に泣くことができるということであると思う

決して、善良な人のフリをして
表面的な共感を振りかざすことではない。

折り合い

安定感のある人というのは、色々な意味で
この世界との折り合いを上手に付けている人なのだろう。

それは言い換えれば「大人である」ということでもあるし

自分の責任において生を引き受けている
ということでもあるのだろう。

いつか誰かのために

ここ数年間
ずっと躁状態で経過して

自分も主治医も

これは反動がきたら
大変なうつになるかもと

戦々恐々だったのだけれど

いよいよ今月半ばから
怖れていたうつに突入したらしい

座っていたら疲れる
寝ていても疲れる

歩こうとしたら

まるでカメのようなペースで
やはり、すぐ疲れる

これは参ったと思っていたら

義両親や古い友人
フォロワーさんたちが

無理をしないでと
メッセージをくれたり

逼迫した生活費を
様々な形で助けてくれたりして

みんなの優しさが
弱気な心に染み渡る

この温かな優しさを僕も
いつか誰かのために

少しずつ返していけたら
嬉しいな

そんなことを思いながら
紅茶を飲み干した

今日もしあわせです。

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