Wish You A Happy Life
降り積もる 雪に未来を 踏む私


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lost words

ブログの編集画面を
開いたタブを選び

この空白に

自分は
何を書きたかったのだろう、と

紅茶のペットボトルを手に
一瞬、戸惑う

何かを書こうと思って
ウインドウを開いたのだから

書くべき 「何か」 があるはず

こうして

思い付きや想像力を
無駄に浪費していると

そのうち

何も書けなくなるようで
少し怖い

けれど

編集する
作業に取りかかったのが

今なのだから

今忘れていることを
無理に捻り出して書いても

それは
嘘になるような気もする

そうこうしていたら

内容が
「内容を忘れたこと」 に

なってしまった

まったく意味の無い記事
そんなものも

たまにはアリかな。

軌道修正

人は、三回死ぬ

自分を
愛せなくなったこと

つまり

他人を
愛せなくなったことに

罪悪を感じなくなったとき
精神的に死ぬ

そして

動物に生まれた体として
いつかは肉体的に死ぬ

最後の死は

他の人々から
忘れ去られてしまった時

存在として死ぬ

僕は
自分自身を怖れ

ひたすら
自分から逃げ回り

そうこうするうちに

親しかった人たちとの
音信も途絶えてきて

どうやら

順番がメチャクチャに
なってしまった

「幸せに生きた」 という確信は

幸せに死んでいく中で
最後に手にするもの

このままでは
何年、何十年か先に

後悔することになる

もっと、ひたむきに
がむしゃらに

自分自身を
軌道修正しなければ

いけない。

衝動と呵責

今夜も

抜け出せない
過食の衝動に

家を飛び出し
近所のファーストフードで

嫌になるほど食べた

眠剤のせいで

ちょうど
お酒を飲んだ時のように

脱抑制的になる、と
主治医は言っていたが

今のところ
解決にはなっていない

遊び慣れていそうな
金髪の若者たちと

少し、距離を置いた
テーブルにひとり座って

一心不乱に
ハンバーガーを貪り

いよいよ
自己嫌悪も限界となると

ドリンクを
一気に飲み干してから

大急ぎで帰宅した

誰かにとっての

自由奔放な遊びや
贅沢と言われるものが

僕にとっての
「苦しみ」 であるという

やるせなさ

夏の朝は早い

うっすらと
明るさを増した空が

僕の情けない行為を
今朝も、咎めていた

変に動き出す前に
眠れたら、いいのに。

カミングアウト

自分の中にある
マイナスの要素を

隠して、抑圧して
生きている人とは

僕は上手く付き合えない
ふと、そう気付いた

マイナスというのは

背負っているものでも
辛い過去や事実でも

欠点やコンプレックスでも
過去の罪過でもいい

不名誉なことならば
自ら触れて回る必要はないが

自分自身、冷静に

その弱点なり体験なりを
直視することを避けているのなら

そのひとの周りには
見えない殻が一つできる

どうも僕は
この 「殻」 のニオイが

苦手なようだ

捨てるものが無い人間に
怖いものはない

全てを開示している人間は
僅かな嘘もつけない

その辺りが

僕の
馬鹿正直な性格に

合っているのだと思う

こんな理想論を
いつまでも唱えているから

僕は、ひとりなのかな

バレるとまずいってことは
隠し通すってことは

一生
付き合う気はないんだ

そんな 「お友達」 なら
僕には必要ない

これも極論かな。

確かなもの

夜明け前

低い空調の音と
秒針の刻む音だけが

深く、カラダの奥へ

ゆっくりと
浸透していくように感じて

僕は
枕に額を押し付けた

1円も払わずに
手に入れた人間関係を

「ごめん」 の一言も無く
捨てて、捨てられて

それでも生きる毎日

ふと

「確かなものが欲しい」 と
強く、思った

それは

肌の温もりであったり
鮮明な言葉であったり

色々なのだろうけれど

僕のいるセカイには
何ひとつ無いもの

あるいは
手放してしまったもの

苦し紛れの自作自演も

笑って済ませられる程度に
しておけばいいのに、と

自分の不器用さに
呆れ返ってしまい

苦笑いする

すぐに手に入るものは
すぐに失うもの

それが分かっていながら
駆け引きばかりする僕は

一体、何から
逃げ回っているのだろう

「自分自身から」

認めたくない気持ちが
脳裏を掠めて消えた

眠らないと

せめて今日を
ちゃんと終わらせないと。

夜の雨

相変わらず

僕の周りは
人の出入りが激しい

誰かと知り合ったり

それなりに話をした人が
去っていったり

こんなときには

自らの
人間関係に対する姿勢を

もっと言えば
生き方そのものを

考え直す必要がある

そのことを
僕に気付かせるかのように

夜の雨は
カミナリを大きく鳴らして

盛大に降っていた

別れることが怖ければ
出会うことなんてできない

愛されることが怖ければ
愛することなんてできない

ただ
怖いだけなんだと思う

傷口を抉られるように

ひとつ、またひとつと
何かを失っていくことが

相変わらず
甘くて、弱いな。

贖罪コントラスト

風邪を引いて
浅い眠りから醒め

痛む頭に腕を乗せて
涙目で見上げた天井は

いつも優しかった

白でもなく、黒でもなく
それらが微妙に混ざり合う

コントラストの中には

このセカイの求める
駆け引きのようなものが

少しも感じられなくて

むしろ、僕を
日々の苦しい道化役から

開放してくれる
一縷の救いのようにさえ

感じられた

時が過ぎるのも忘れて
ただ天井を眺める僕には

辛いことも、怖いことも
何も無い

ただ、低く頭に走る
哀しく鈍い痛みを除いて

いま、何時だろう

もう一度眠ろうか
額に乗せた腕で

涙を
ゆっくり拭ったら。

疎外の先に

まるで

自分で創った傷口に
自分で塩を擦り込むような

誰のせいとも言えない
鈍い頭痛に苦笑いして

また
一日が暮れてゆく

食事はデザート
恋愛なら追想

すれ違いゆく人は
残り香が一番美しい

などと自嘲しては

今日もまた
去る者追わずよろしく

孤独感を深める

今までは

何かと比較的
持て囃されながら

生きてきて

そのぬるま湯を
セカイだと思っていたけれど

実際には

この口から
吐く言葉たったひとつで

人と永遠に絶交してゆく

そんな
生きづらい空間こそが

本当のセカイ
なのかもしれない

疎まれて、なお
笑える心が欲しい。

生きる資格

また今日も
生きてしまった

そんなことを思い

落胆とも
後悔とも言えない何かで

心が満たされ

その直後

漠然とした哀しみが
心を焼いた

人との付き合い方を
知らない僕は

良好な関係を

築けると感じた端から
その関係を壊して

日々、孤立を深める

この世界には
特に、今のこの国には

僕よりも器用に
上手に生きることのできる人が

溢れかえっている

そんな中
何に不自由することなく

また
一日生き延びたことに

何の意味があるだろう

意味ぐらいは
あるのかもしれない

けれど
生きる意志のない者に

生きる資格は
無いような気がする

明日も雨か。

見慣れた天井

椅子にもたれて

秒針と天井を
交互に見つめては

目を閉じる

この癖は
いつからだろう

今夜は
大雨になると聞いた

風情のある
静かな雨もいいけれど

たまには

情熱をまき散らすような
大雨も悪くない

目を開けたとき

そこに
何も変わらない天井が

当たり前のように
そこにあることに

底知れぬ安心を
感じている

「ああ、生きてる」
ただ、そう思う

それが嬉しくて
こんな癖を

覚えたのかな。