風邪を引いて
浅い眠りから醒め
痛む頭に腕を乗せて
涙目で見上げた天井は
いつも優しかった
白でもなく、黒でもなく
それらが微妙に混ざり合う
コントラストの中には
このセカイの求める
駆け引きのようなものが
少しも感じられなくて
むしろ、僕を
日々の苦しい道化役から
開放してくれる
一縷の救いのようにさえ
感じられた
時が過ぎるのも忘れて
ただ天井を眺める僕には
辛いことも、怖いことも
何も無い
ただ、低く頭に走る
哀しく鈍い痛みを除いて
いま、何時だろう
もう一度眠ろうか
額に乗せた腕で
涙を
ゆっくり拭ったら。