Wish You A Happy Life
降り積もる 雪に未来を 踏む私


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15 days

16日に
病院から連絡が入って

17日の早朝から12日間

いつ寝込んでも構わないと
覚悟を決めて

12日間
早朝から夜まで母の世話をし

13日目で母が他界したら
さらに通夜と葬儀で三日間

実に、二週間以上も
よくカラダが持ってくれた

ウツにも関わらず
騙しだましでも持ってくれたので

後悔も悔いも無く
母を送り出すことができた

毎日、立ち会っていても
あれだけ悲しかったのだから

途中でダウンしていたら
悔やんでも悔やみきれなかったはず

まだ法要などでバタバタするけど

とりあえず母のことは
一段落したものとして

自分が休養をとることを
考えよう

友達からも助言をもらっていたが
15日間、離れられなかった

やれるだけのことをしたから
これからは

バランスも考えていこう。

未熟者

ここ数週間のことで
自分がどれだけ

人に恵まれているかを
実感した

普段はあまり
連絡を取り合わない人も

みんなが
僕の身体の心配や

母の病気の心配をして
声をかけてくれた

「ひとりきりで生きている」 と

被害妄想的に
感じることも多いけれど

ネガティブになりすぎて
事実を見失っていた自分も

よく見えた

まだまだ
何も分かってないな、僕は。

遺影、遺骨

母の葬儀は
つつがなく終了した

出棺の際は
父が位牌を、僕が遺影を持ち

その後に、弟が続いた

火葬場では
もう顔を見ることができないので

最後に顔を見て
みんなで棺の中に花を飾る

「もう見れなくなる」
「母が焼かれてしまう」

それが悲しくて涙が溢れ

棺のフタが閉じるまで
泣きっぱなしだった

骨揚げに向かい
白骨だけになった母を見た時は

不思議と
もう涙は出なかった

肩と、背骨と、喉のあたりを
骨壺にいれてあげた

長い間、病院で闘い続けた母は
骨と写真だけになったけれど

また、うちに帰ってきた

今でも実感が湧かないけれど
受け入れるしかない

最後に

通夜、告別式にご参列頂いた皆様
母のために遠方からはるばるお越し頂き

ありがとうございました。

涙雨

優しかった母の通夜には
予想以上に

多くの人が参列してくれた

母が好きだった花を
たくさん集めた祭壇で

特に親しかった人には
母の眠っているような顔を

見てもらった

今日は葬儀、告別式
いよいよ出棺になる

天気は涙雨

母の体が
焼かれてしまうなんて

信じられないことだし
堪らなく辛い

それでも見届け
見送ってあげるのが

息子としての
僕の役目なんだろうな

一日過ぎるごとに
母が天の人となっていく。

見知らぬ天井

葬儀場の控室
父と弟の大きないびきに挟まれ

一人には広すぎる
見知らぬ天井を眺める

霊安室は一階

まさか、母の遺体の上で
布団を並べることになるとは

二人とも
相当疲れているのか

よく眠っている

明日はお通夜
ここで眠れない僕は

どうすればいいのだろう。

冷えてゆく体

病院に急行した時
既に母の息は無かった

昨日まで
話しかけると

それなりに返事をしてくれたのに

両手で握りしめた母の手は
どんどん冷たくなっていく

葬儀屋さんに搬送されて
顔から身体から

真っ白な布をかけられて

今にも
嫌がって声を出すんじゃないかと

弟と話していたが

母が死んだ、という事実を
全く頭が受け付けないのに

葬儀屋さんは
費用や見積もりや式の話を

どんどん説明する

そんなこと
考えられる頭じゃないよ

いくら掛かってもいいから

とにかく
母が一番喜べるように

してあげて欲しい

通夜は明日、金曜の夜
告別式は土曜の午後から

母と親しくしていた人と
親族だけで

静かに見送る予定

よく頑張ったね、と言いながら
冷たい母のおでこに手をあてて

涙が止まらなかった。

母、逝く

母は

夜中から急変して
呼吸が厳しくなり

明け方に心肺停止

朝 7時12分
他界しました。

苦しがる様子はなかったけれど
肺が持たなかったようです

たくさんの励ましと心配
ありがとうございました

これからまた
葬儀などで

暫くバタバタしそうです。

ゼンマイ仕掛け

動き続けていないと
止まってしまいそう

笑い続けていないと
泣いてしまいそう

ゼンマイ仕掛けの時計

いつか止まりそうで怖い
たまらなく怖い。

理解者

連絡をとる人みんなが
僕のカラダを気遣ってくれる

けれど
朝が起きれない程度で

今のところ
さほど、しんどいこともない

むしろ

一日の看病を終えて
自宅に戻ったとき

じわじわと
心に忍び寄ってくる

不安と、先々の心配が
拭いきれなくなってきた

母を中心に
ずっと回ってきたこの家庭

何もかも
母と相談して過ごしてきた人生

僕のよき理解者であり
ある意味では、最高の支持者を

失おうとしている

とっくに独り立ちしたつもりが
まだまだガキだった、なんて

笑い話にもならない

大人として、病人として
どうあるべきか

家族の中で
自分の立つ位置はどこか

そんな
知っていて当然のことを

今更ながらに考える夜

明日もまた
母には何一つ悟らせまいと

平静を装って
笑顔で病院に向かう

僕がごちゃごちゃと考えている今
母は、何を思うのだろう。

友がいるから
立っていられる崖がある

友がいたって
どうにもならない運がある

それでも

たくさんの友に
励まされ、心遣いをもらい

自分の心と生命が
回っていることは確かで

本当に有り難く思う

迷惑ばかりかけているけど
みんな、ありがとう。