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習慣との戦い
捻挫がいよいよ痛い
昨日は
歩くと痛かったけれど
今日は
立っているだけでも
少し体重をかけると、痛い
けれど
痛い、痛いとも言っていられず
フェルビナクの湿布を
患部に貼り付けて
なんとか午前診に
滑り込んだ
待合室の様子を見る限り
待ち時間は
ざっと、1時間と少し
バイクの左レバーが
ぐらぐらしてきたので
終わったら
バイク屋さんに行こうかと
思案するけれど
交差点で停まる度に
無意識に地面に付く足を
右足から左足へと
置き換えるたびに
なんとも気持ちの悪い
ごはん粒が鼻の奥に挟まって
取れなくなったような
気分を味わう
僕が捻挫をした
ということは
今日の主治医は
外科医になるのだろうか
ここのところずっと
診察はニキビ対策をしていて
まだ治りきっていないので
主治医には、当分
皮膚科医をして欲しい
ああもう
なんで捻挫なんてするんだ
寝てる間に。
星に似る者
友達が
辛い思いをしている時
僕には父が
「熱いお茶を飲むか」 と
訊いてくれたりする
その逆もあるはずで
僕が父から
八つ当たりされている時
誰かは人生で最高に
幸せな瞬間を過ごしている
まったく
何という星の上で
生きているのだろう、と
僕は思った
美しいけれど残酷で
凍り付くけれど温かくて
まるで
人間そのものじゃないか
いや、人間は
この惑星から生まれたのだから
星に似てしまったのは
人間の方かも知れない
何もかもが、ごちゃ混ぜに
規則正しく回る世界
叶うなら
今夜の僕の幸せは
悲しんでいる友達のために。
謎の負傷
朝、起きてみると
どうも、右足首を
捻挫している
つい今まで
眠っていたはずなのに
夢遊病にでもなって
夜中に歩き周り
どこかで躓いたのだろうか
冗談はともかく
歩くのに足をついても痛い
湿布は臭いから
あまり貼りたくないし
そんな時に限って
明日は診察日だったりする
バイク乗りが
交差点で必ず地につく
右足を捻挫か
笑えないな。
バイバイ
僕は
「バイバイ」 という言葉が
どうしても言えない
恋人との別れ際は
もちろんのこと
友達との
電話を切る時でさえ
「バイバイ」 ではなく
「またね」 と言ってしまう
去る者は追わず、などと
傲慢な毒を吐きながら
実のところ、内心では
「人が去っていく」 ことが
もの凄く、怖い
それは
相手の中の 「僕」 が
消え去っていく体験であり
相手を通して
現実に投影された僕自身が
「薄まっていく」 怖さでもある
もしも
全てのひとが去ったなら
僕は、存在しているだけで
「どこにもいなく」 なる
そんな風に
人を失うことが怖くて
「バイバイ」 が言えない
この気持ちに
シンクロするひとは
たぶん、僕の知ってる中で
ほんの一握りだろう
「次」 があると
曖昧に予感を残して
安心した所で
何を繋ぎ止められるわけでも
ないけれど。
夜明け前の夢
机の上の時計に
3の数字が並ぶ
あと少し経ったら
新しい日が色付く
大切に思うひとが
たくさんいる毎日に
逃げ出して
しまいたい程の
寂しさが隠れている
ひとつ
また、ひとつと
部屋から光を奪って
静かに息を吐き
拙い夢を見る
たえず揺るぎなく
強い心であること
誰かを本当に
愛せる人になること
家族を養えるほど
健康で働けること
どれもこれもが
昔は当たり前だった
けれど、今の僕には
星よりも遠いことばかり
この星の上に
僕を
心から必要とするひとは
一体
何人くらいいるのかな
じりじりと
無力感に押し潰されて
枯れていくために
僕はこんな
こんなに長い
息を吐くのかな。
the game
惚れさせることは簡単だが
愛されることは難しい
「自分は調子がいい」
「何もかもうまくいっている」
そんな風に感じている時
僕らは
さも正しいレールの上を
走っているように錯覚するが
実際は
周到に、結末が用意された
ひとつの 「ゲーム」 に
興じているに過ぎない
そう思えば
恋だろうと人生だろうと
結局は、同じことで
人生そのものが
大きなゲームなのかも知れない
と思った。
裸眼に映る街
今日は
スーツやワイシャツ
ロングコートなど
実は着れると
判明した洋服を
クローゼットの中で
あちこち動かして
納得のいく並び順に
なった頃には
日が暮れてしまった
僕は人に会うことなど
滅多にないから
そのうち、一度
ひとり、ふらっと
大阪へ出て
客引きで賑わう街を
当て所なく
彷徨ってみるのも悪くない
何も、誰も見ないように
僕は裸眼で
誰からも目立たないように
上から下まで
真っ黒な装いで。
制服、スーツ
クローゼットの中にある
火災報知器の点検が
数ヶ月に一度、来る
今回はそれが
明日に予定されているらしい
僕は、慌てて
クローゼットの前にある
棚をどけて
扉を開けられるだけの
スペースを確保し
開いてみた
社員時代に着ていた
スーツが色々と出てくる
やおら
闘争心を剥き出しにして
片っ端から脚を、腕を通す
久しぶりに着てみると
ウエストだけは
きつい感じがするけれど
無理に着られないこともない
昔は、合コンに行くにも
オフ会に出席するにも
必ずスーツを着ていた
これでまた
制服代わりに着れる、と
僕は嬉しくなった
面倒なだけの用事で
素晴らしい事実が
発見できてしまった。
宇宙の彼方
普通の人から見れば
怠けているだけの
それでも
僕にとっては
いつもより心持ち
忙しく、華々しい
一日が終わる
幾つもの縁と
たくさんの人たちを失い
突き放されたり
切り離したりしながら
ロケットのように
僕は
どこまで
飛ぶつもりなのだろう
どこまで
飛べるのだろう
辿り着く先が
真っ白な
本当の闇であるなら
いいのに。
波の底
数時間ぶりに
目を覚まし
とりあえず
バナナを齧った
キッチンには
父の気遣いらしく
レトルトカレーと
ごはんが置いてある
痛いとも、痛くないとも
言えないような頭痛
風邪は治った、と
思ったはずだけれど
調子が戻らない
久しぶりに
大きいウツかな。