Wish You A Happy Life
降り積もる 雪に未来を 踏む私


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万華鏡

淋しい、と

過食の衝動に負けた
弱い僕が

振り返って言う

そこには
もう一人の僕がいて

そのとき初めて
自分が淋しいのだと

気付く

二人目の僕は
振り返って言ってみる

淋しい、と

そんな風に
幾重にも連鎖した

万華鏡のような
終わりの無い淋しさに

僕はもう
組み込まれてしまった

今日はお早いですね
いつも有り難うございます

少し年上の
見慣れた女性店員の声が

寒空の下

いつまでも
頭から離れない

いつかの僕へ

僕は別に
淋しくなんかない

君は決して
孤独ではない

そんな言葉が
空回り、氷点下

この気持ちも
雪と共に

解けてしまえば
いいのに。

自信喪失

自信のなさは顔に出る。
態度に出る。仕草に出る。

人から好かれる嫌われる以前の問題。

ぽつり、夜

ひとり
天井を眺める夜は

特に理由も無く
淋しさばかりが募る

やりきれず起きだし
紅茶に少し口を付け

デスクトップに
雑然と保存されている

書き散らかした
草稿を開いては閉じ

また開いては、閉じ
ひとつも形にならず

やっぱり駄目だ、と
ふてくされたりする

気持ちが沈む日は
書き物など

できたものではないし

無理矢理に
書き上げたところで

人の心になど
響くわけがない

孤独と対峙する
静かな真夜中の部屋

ヘッドホン越しの
優しい音楽だけが

僕と世界を
辛うじて繋いでいる

そんな気がした

恋しい、侘びしい

たとえそんな感情が

何の意味も価値も
持たないような

感傷であるとしても。

今夜すべての幸せを

通り過ぎる 月日が
ゆっくりと 貴方を蝕んで
月の輝く 夜に
愛さえ 奪っていった

笑わない 貴方が
ゆっくりと 時を蝕んで
星の瞬く 夜に
心が 荒んで錆びた

眠れない 午前一時
私は 私は ここにいるよ

今夜 すべての幸せを
貴方の胸に 届けよう
かなしさや 空しさや
憂鬱 ぜんぶ蹴散らして

今夜 すべての幸せを
貴方の笑顔に 変えよう
泣きながら 笑いながら
歩いて 心のままに

ねえ 聞こえるでしょう
強くて 懐かしい鼓動 今も

今夜 すべての幸せを
貴方の胸に 届けよう
かなしさや 空しさや
憂鬱 ぜんぶ蹴散らしながら

今夜 すべての幸せを
貴方の笑顔に 変えたら
向かい風 受け止めて
歩いて 今を信じて

泣きながら 笑いながら
歩いてね 貴方らしく。

またね

永遠に 優しい貴方は
最後まで 私の嫌いな
さよならを 言わなかった

電話するのは 私の役なのに
大切な話が あると
貴方らしい 静かな決意

改札 手のひらを合わせ
別れ際 交わす言葉は

さよならが 言えない私のため
二人で 選んだ
「またね」 だったから

もう二度と 話さないと
決めた貴方は 話が終わる頃
言葉に詰まり 黙ったね

さよならを 言っていいんだよ
新しい貴方の 幸せのために
さよならを 私から言うよ
貴方は迷わず その人の傍にいて

それじゃ、またね
私の好きな 言葉は
新しい 大切な誰かと交わす
遠い贈り物 貴方へ

さよなら 元気でね。

待ち合わせ

光揺れる 夜の駅前
貴方を 見つけたら
ほんの少し ためらう

幸せは 過去や未来より
目の前に ある時が
ずっとずっと 怖いから

笑顔を作る 私
上手に 笑えているかな

私を見つけた 貴方が
魔法のように
優しい目の人に変わる

コンビニの
袋をぶら下げ 歩く
貴方の腕に 触れた
もう どこへも行かないで

当たり前に
私の 隣を歩く
貴方がここにいる
もう どこへも行かないで

お願い
どこへも行かないで。

美しくて 醜い
人の 流れの中へ
大切な 思いをひとつ
抱いて 道を踏んだ

優しくて 厳しい
雪混じりの 北風は
私を 未来へと繋ぐ
希望の 匂いがした

貴方が いつかくれた
言葉の意味が 弱い胸に
強く強く 祈るように
何度も 吹き抜ける

歩けば 汚れるもの
生きれば 傷付くもの

躓いては 立ち止まり
道をゆく 私はいま
風の中を 人の中を
汚れながら 歩いている

雪の中を 愛の中を
傷付きながら 生きている。

遭難未遂

昨年の大晦日から

東京へ移動して
弟一家と合流し

家族全員で
コテージに泊まった

栃木の山奥は
真っ白に雪が積もり

狭い林道には
街灯もなにも無く

冗談混じりに

遭難しそうだ
などと言っていたけれど

着いてしまうと

意外と温かい小屋に
おせち料理を広げ

思いの外
快適に過ごせた

そして今日
午後の新幹線で帰宅

疲れたけれど
行って良かった

ただひとつ

何故かどうしても
大勢でいると

普段の自分と

その場で笑う自分が
別人のように思えて

ひどく孤独を感じ

お決まりの
無い物ねだりで

家族連れを
羨んでしまい

年始早々
気持ちを持て余して

そちらのほうが
疲れてしまった

新しい年

また
気分を入れ替えて

心を、磨こう。

easy go

他の人が持っている何かが
手に入らないことにイライラする。

街中がそんな人で溢れているけれど、

簡単に手に入るものっていうのは、
簡単に失うものなんだよ。

弱音

弱音を吐くのは、弱いからじゃない。

一生懸命に生きて、傷付いて、
それでも前に進んでいる証拠。