淋しい、と
過食の衝動に負けた
弱い僕が
振り返って言う
そこには
もう一人の僕がいて
そのとき初めて
自分が淋しいのだと
気付く
二人目の僕は
振り返って言ってみる
淋しい、と
そんな風に
幾重にも連鎖した
万華鏡のような
終わりの無い淋しさに
僕はもう
組み込まれてしまった
今日はお早いですね
いつも有り難うございます
少し年上の
見慣れた女性店員の声が
寒空の下
いつまでも
頭から離れない
いつかの僕へ
僕は別に
淋しくなんかない
君は決して
孤独ではない
そんな言葉が
空回り、氷点下
この気持ちも
雪と共に
解けてしまえば
いいのに。