真実は、それを見ようとする者にしか見えない。
その他大勢の群衆にとって、
真実は時として悪意に映ることさえあるだろう。
Wish You A Happy Life
降り積もる 雪に未来を 踏む私
真実は、それを見ようとする者にしか見えない。
その他大勢の群衆にとって、
真実は時として悪意に映ることさえあるだろう。
正午過ぎに目を覚まし
平穏な週末を過ごす
人を追いかけることに
疲れたら
一人でいることに
妙に安心感を覚えてしまい
人と接することが
逆に面倒に思えてくる
ミネラルウォーターを
口一杯に含みながら
人間とはこうも
身勝手な生き物かと
苦いような
どうでもいいような気持ちで
僕は笑った。
グラスから立ち上る
突き抜けるような
ライチの甘い香り
リキュールの中では
僕が一番好きな
ライチの酒
ディタのボトルが
最後の一滴を垂らして
空っぽになった
7%、500ml の
発泡酒を空け
24% 350ml の
ディタのボトルを空にしても
酔いひとつ回らない
ということは
今夜は何を飲もうと
酔えない夜なのだろう
強くて甘いライチの香りは
色々な思い出を
僕の脳裏に浮かばせ
強く真っ直ぐに生きていた
僕を在り在りと
蘇らせてくれた
それだけでも
十分じゃないか、と
僕は少し
苦笑いをして
そっと
ボトルを机に置いた。
悲しみは、ある日突然どこかからやってくるように思えるけれど、
その種を蒔いているのは全部自分自身なんだ。
そう考えたら、喜びの種を蒔くことだって、きっとできるはず。
翼を失した鳥は
きっとその命が尽きるまで
再び大空を飛ぶ自分を
夢に見るだろう
僕もそんな気持ちで
色々な境遇の変化に
一喜一憂しては
「ねだって」 ばかりいた
けれど
前に進むためには
時として
大空を飛ぶという夢を
捨てなければいけない
時だってある
飛べなくなったけれど
僕はまだ走れるんだ、と
力強く思えるような
強い心が、欲しい
消えてしまいそうな
弱い自分と向き合いながら
毎日を格闘する
いくらかの酒と
安定剤に寄りかかりながら
それでも
生きる道を模索する
辛いのは自分だけじゃない
グラスの酒と
天井を交互に眺めながら
そう思えば思うほどに
涙が溢れた。
僕を取り巻く世界は
色を変え始めた
希薄になる人間関係と
無駄に過ぎゆく時間の中
僕は天井や空を
ただ 「仰ぎ見る」 だけの
小さな存在に変わる
もしも、9年前
病気にならなかったなら
もしも
仮に自らの命を絶つとも
戦い抜いていたら
こんな惨めな気持ちには
ならずに済んだのだろうか
時代が時代なら
生き恥など晒さず
寂しさに涙など流さず
潔く、腹を切りたい。
喧嘩をしたり
意見が衝突したりする相手がいることは
幸せなこと。
不幸なのは、むしろ誰からも忘れ去られ、
誰と関わって良いか分からない状態だと思うから。
持病を抱えてから
思うように動ける時間に
制約ができた分
動けている時の時間は
健康な人の時間より
ずっと速く進んでいて
いつも焦るような
気持ちに追いかけられる
失うものは
ごく僅かのものを除けば
もう何も無い
「生と死は等価値だ」 という
有名なアニメのセリフが
やけに
他人事に思えない日々
僕が選ぶとしたら
必死にしがみつくのか
自分を含む全てを壊すのか
二者択一しかない
理由なんて、無い
ただそういう性格だから
積み上げては壊す
その虚しい繰り返し
夏の夜は
遠い昔を思い出させるようで
どこかもの悲しい
空気が漂っている。
全ての人との
やり取りが途切れた
深夜過ぎの部屋
孤独は嫌いなはずなのに
何故か、ほっとする
人が好きで
無我夢中で近づいては
傷付け、傷付いて
臆病になってしまう
そんなことを繰り返す
ヤマアラシのジレンマ
いつも同じこと
真理を尊重するならば
腹背に受難を予期すべし
と言った
デフォの言葉に共感する
受難とは
不幸に思うべきことではなく
むしろ人生において
当然受けるべきものとして
予期し、覚悟して
いるべきものなんだ。
調子の悪い日は
人恋しくて仕方ないのに
人と関わることが
疎ましくて仕方ない
この、あり得ない矛盾を
解決する鍵は
医学にしか無いのだろう
けれど
こうも頻繁に
気力を削がれていたのでは
動くものも動けない
もどかしい
思いばかりが日々、募る
抜け出したい
九年もこんな生活の中で
頭も心も腐っていくなんて
僕には受け入れられない
認めない、絶対に
本当はこんな生活など
望んでいないから。