Wish You A Happy Life
降り積もる 雪に未来を 踏む私


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記事一覧

戦場にて

自分の中の
弱くて、どうしようもないモノが

虎視眈々と僕を狙い

ほんの少し勢いづくと
「現実はこれなんだぞ」 と

言わんばかりに
目の前に茫漠と立ち塞がる

すっかり気分を
やられてしまって

逃げ惑う余裕すら
無くした僕の喉を

少し濁りかけた水と
安定剤が流れ落ちていく

天国は、地獄の始まり
地獄は天国の入り口

だから僕は

「今」 以外を見ないで
生きようと決めて

この十年以上もの間
冷淡な表情を操ってきた

いちばん弱くて脆いものが
自分の中にある、と

理解している人たちは
みんな温かくて、優しい

けれど
その優しさに甘えたとき

僕の中の怪物は
一瞬で僕を飲み尽くすだろう

まるで戦場、最前線だ

迷えば撃たれる
躊躇すれば流れ弾に当たる

進めば、命の保証はない

いつから僕は
この平和で美しい世界を

こんなに歪んだ形でしか
歩けなくなったんだろう

涙が、溢れた。

世界と解釈

世界というものは必ずしも
真実の姿そのままに見えているわけではない。

自分が感じて解釈する世界には

自分が 「こうあって欲しい」 と思う願望が
織り込まれているものであり、

客観視をするためには

その同じ世界が
他人の目にはどう映っているのかを

意識しながら生きる必要がある。

相性

仲良くしているとき
人はその相手と 「気が合うのだ」 と錯覚する。

だが
本当にその相手と上手くやっていけるかどうかは

意見が食い違ったり、誤解が生じたりした時に
相手がどのような対応をするかで

初めて分かる。

春の浮遊

家のベランダから
乗り出して眺めた中庭に

今年も綺麗な桜が
元気良く咲いていた

急に暖かくなったり
突然、雨が降ったり

春らしい気紛れな気候に
現実は斜め上を行く

誰かの心配をして
誰かのために悩んで

自分がどこにいるか
どこへ向かうべきかを

見つめることから
逃げ出している

けれど

ぬるいシャワーを
頭から被りながら

「それでも笑える」 と
強がってみた

誰かの中に
僕が生きている限り

僕は消えたりはしないと

そんな小さな祈りで
明日も笑いたい。

愛する喜び

「こんなにも好きになってもらえた」
という喜びは確かに大きいものかもしれない。

けれど、

「自分はこんなにも人を愛せるんだ」
と気付いたときの喜びは、

それを遙かに上回る。

コントローラー

数年前

僕の部屋には
据え置きのゲーム機と

コントローラーと
座布団がふたつ

置いてあった

当時、付き合っていた人が
遊びに来てくれた週末は

狭い自室のカーペットに
二人並んで座り

色違いの
コントローラーを持って

よくゲームをした

その人が
いくつかの可能性に賭けて

「僕とは違う誰か」 を
選ぶと決めた日から

ゲーム機と
二つのコントローラーは

クローゼットの
段ボール箱に消えた

いま

僕の部屋には
次世代機の本体として

また、ゲーム機が
置いてある

深夜の部屋で
一人きりでゲームをしていて

ときどき

不意に離人感に似た
固い違和感を感じ

涙が出てしまう理由が

やっと
分かったような気がした。

他者のための感情

挨拶や、礼儀や、マナーや
思いやりや、気配りは、

すべて 「相手のために」 存在するもの

だから、そういったことのどれかが欠けている人は
相手の立場でものを考える習慣が無く

基本的に 「自分のため」 になるかどうかで
物事を判断する傾向があり、

残りの
いくつかの要素についても同様に

持ち合わせていない人であることが多い。

異性の友

恋がしたい、恋人が欲しい。

そういう部分を出発点に選ぶこと自体が
そもそもの勘違いだ。

周りをよく観察してみれば分かるはず。

いわゆる 「モテる人」 っていうのは、
恋愛対象よりも「異性の友人」を大切にする。

そして同性からも慕われている。

「モテそうに見えるのに意外」 というのは、
つまり、そういうこと。

例外のない真実

別れることが怖いから恋愛はしない

そんな風に言い訳をする人とは
付き合わないほうがいい。

人間は誰ひとりとして例外なく
死という全てとの別れに向かって

生きている。

その現実を直視する強さのない人に
人を愛し抜く強さは備わっていない。

判断基準

自分の中に確固たる
価値判断の基準を持たない人ほど、

既成の常識や一般論を
我がもののように振りかざしたがる。

そこには

己の無知と感性の欠如を正当化するための
傲慢さしか無い。