Wish You A Happy Life
降り積もる 雪に未来を 踏む私


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記事一覧

桜を待って

三月が終わろうとする頃

一時封印していたブログを解き
また、短い文を綴り始めた

窓にみぞれが
叩き付けるような暴風雨

厄介者の花粉も
例年よりは強力な手応え

三寒四温と言うも

寒暖の差が余りに大きすぎて
空が、落ちてきそう

たくさんの親しい人が愛した
「さくらの季節」

今年はどんな春の中で
迎えることになるのかな。

愛され方

「愛され方」 を
知っている人たちを

ときどき
とても羨ましいと、思う

誰かが自分を
愛そうとしてくれているときに

その気持ちを
上手に受け取れる人は

幸せだと、思う

僕は人を疑うことに
人の内面の底まで疑うことに

慣れてしまった

子供のように
喜んで愛を受け取れる

そんな素直さが
もう一度、欲しい。

人とニキビ

右の頬
唇くらいの高さに

退治しかけの
ニキビがある

触ってはいけない
潰してはいけない、と

前髪まで上げているのに

気がついたら
指先で触れてしまう

爪を立てられたら
誰だって嫌だよなあ

ニキビだって
きっと嫌だよなあ

できるだけ
触らずにいよう。

生き続ける心

今日
無くすものの数

先月
無くしたものの数

去年
無くしたものの数

今までの人生
無くしたものの数

その数の多さに

新しく得るものへの
期待も希望も

塗り潰されてしまう

ときどき、そんな弱音に
足をすくわれてはいるけれど

希望を捨てるということは
生きることをやめること

身体が生きていても
心は、死んでしまうということ

僕は生きたい
まだまだ、もっと生きたい

だから捨てられない

どんなに過去が
美しいものばかりのように

見えたとしても。

アレルギー

トイレが我慢できなくなった
勢いに乗じて

一気に髪を束ね
靴下を穿いて

起きだしてしまった

雨だから
花粉はそう飛んでいない

そう安心する端から

鼻水が垂れてきて
左目が痒くなった

何のアレルギーだろう

昔、検査したときは
色々と出たような

気もするけれど。

罪にまみれる手

誰かを
大切に思うあまりに

その人を
遠ざけてしまおうとする

そんな癖が
昔から僕にはある

自分と一緒にいれば

いつかその大切な人が
大きく傷つくような

そんな気持ちがして
僕は道化になり

哀れな

見え透いた茶番を
演じ続けてきた

遠い将来の
危険を回避できた、と

僕は勝手に思い込む

けれど
本当にそうなのだろうか

本当はその人は

傷ついたとしても
僕と過ごしたかった

そうだったのではないか

分かれ道は
考えるほど、無数に見えて

どの道を進んでも
両手が罪にまみれてしまう

信じて欲しい
僕は大好きだったんだ、と

閑散とした
携帯の電話帳に呟いても

何も戻ってはこない
自分で壊したんだから

自業自得って
残酷な言葉だな。

定番メニュー

陰鬱とした気分を
振り払おうと

ウォークマンに繋いだ
密閉型ヘッドホンを

耳の奥にねじ込み

B'z のアルバム数枚を
大音量で

シャッフルしていた

そうこうしていると
夕食の時間

食後のクスリが飲めれば
何でもいいので

とりあえず

美味しいコッペパンを
ジャスミンティーでかじる

食べ疲れたら
デスクトップを整理する

いつもと、同じ。

雨の日と贅沢

隣家の犬の吠える声
子供の走る靴音

マンションという
この巨大な 「人間の巣」 は

賑やかだけれど

お世辞にも楽しくない
生活音で溢れている

雨の日くらいは
静かに紅茶でも飲みながら

過ごしたい

そう思うことは
贅沢なことなんだろうか

この喧噪に
平気で耐えられるほど

僕は忙しくもないし
強くもない

そう思う端から
飛行機が飛んで行く。

水のある部屋

起きてはみたものの
行き場が見つからず

こんなにも
暗い部屋の中ですら

行き場を失す

いちばん
安定感があるのは

ミネラルウォーターの
透明

プレイリストを眺めて
懐かしい歌だと思い

少し聴いては閉じる

そんなことを
ただ、繰り返すだけ。

砂の城

何をするでもない
時間の隙間隙間から

湧き上がる
「破壊」 への衝動

壊す対象は
もちろん、僕自身

それは何も
大げさなことではないけれど

ニックネームを
がらっと変えてみたり

サイトをサーバごと
引っ越してみたりして

折角、僕の書いたものを
読んでくれていた人を

引き離してしまう

僕はきっと
自分が今の状態でいることに

納得していないんだ

自分はこんなんじゃない
こんなはずじゃないのに、と

思いながら
毎日を過ごしているから

何度壊して
新しく作り直したところで

砂の城

立派な本物の城には
変われない

この世界に
あと、何人くらい

僕を必要とするひとが
残っているんだろう。