誰かを
大切に思うあまりに
その人を
遠ざけてしまおうとする
そんな癖が
昔から僕にはある
自分と一緒にいれば
いつかその大切な人が
大きく傷つくような
そんな気持ちがして
僕は道化になり
哀れな
見え透いた茶番を
演じ続けてきた
遠い将来の
危険を回避できた、と
僕は勝手に思い込む
けれど
本当にそうなのだろうか
本当はその人は
傷ついたとしても
僕と過ごしたかった
そうだったのではないか
分かれ道は
考えるほど、無数に見えて
どの道を進んでも
両手が罪にまみれてしまう
信じて欲しい
僕は大好きだったんだ、と
閑散とした
携帯の電話帳に呟いても
何も戻ってはこない
自分で壊したんだから
自業自得って
残酷な言葉だな。