Wish You A Happy Life
降り積もる 雪に未来を 踏む私


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木枯らし

今日は

ここ数日で
いちばんの寒さに

目を覚ました

東京では
木枯らし一号が

吹いたらしい

一気に起きなければ
夜まで寝てしまう

そう思った僕は
部屋着を飛ばして

いきなり
外出着に着替え

朝のクスリを飲むと
出かけることにした

バイクでの移動に
冬の風はこたえる

まだ十月なのに
この寒さだったら

真冬は
どうなるんだろう

そんなことを
考えたあたりで

毎年、毎年

同じことを考えている
自分に気付き

思わず苦笑した。

16時、起床

昨夜は眠れず

食べたら眠れるだろうと
松屋まで走って

カレーを食べて帰宅

未明から今の今まで
実に十二時間近くも

眠っていた

おかげで
倦怠感も少し取れて

「よく眠った」 と
久々に思ったのは

とてもいいのだけれど

この時間に起きて
バナナを囓って

さあ、活動しろと
言われたところで

どこへ行けば良いかも
まったく定まらないし

食べたいものより

消化しきれていない
胃の中のカレーが

気になっている始末

ベッドの上で
薄目を開けて見た

カーテンの向こうは
薄暗そうに見えた

日が短い

もうすぐ
大好きな冬が来る。

こめかみ

微熱が続く
気怠い土曜日が

もうすぐ終わる

一日の終わりは
安堵と脱力が混じり

本来なら
「今日を生きた」 という

充実感がなければ
いけないところが

まったく感じられない

体調が悪ければ
気分は沈むし

気分が沈んでいれば
体調も悪くなる

きっと
そんなところだろう

季節の変わり目に
風邪を引く

一年中絶え間なく
風邪をもらう

風邪そのものは
もう諦めているけれど

せめて

この気怠い微熱を
なんとかして欲しいと

頭痛に痛む
こめかみを押さえながら

思った。

若干、浮上

先日
久々に躁転して

ゲーム機を買ったり
Wi-Fiルータを契約したり

あれこれと
忙しく動いたツケが

回ってきている

炭酸リチウム服用の
タイミングをずらす

という試みが
大失敗だったので

恐らくは

相当、血中濃度が
下がっていたのだろう

そろそろ
落ちてから一ヶ月

ウツも軽ければ

風邪でもひいたかと
思いながら過ごせるけれど

さすがに

一日座っていられない
というのでは

話にならない

今週は診察だけれど
話す内容もなく

「ウツですねえ」 と

お得意の台詞を
主治医の前で披露して

苦笑いを頂き
帰ってくるのだろう

それにしても
季節の変わり目は

何もかも
調子が狂って

まいってしまうな。

confused

血中濃度の
安定を狙って

前回の診察で
指示された新しい策

炭酸リチウムを

夕方と就寝前の
二分服にするという案は

結局のところ

今まで全部のクスリを
おおまかに

一食目のあと
夕食のあと、就寝前と

三回に分けていた
服薬のスタイルに

大きな混乱を来し

リチウムはおろか

ほかの
変更のないクスリまで

何回飲んだのか
何回目なのか

さっぱり分からない状態

これでは
濃度の安定どころか

飲み忘れが増え

間違えて
飲み過ぎる可能性もあり

あまり良くない

次回の診察は

正直にこの惨状を
主治医に話して

慣れるまで
根気良く続けるかどうか

相談しよう

昨日から
めっきり寒くなった

いよいよ秋、か。

奏功

ゆっくりと

何度寝か分からない
浅い眠りの中から

現実へと、帰る

あと少しもすれば
正午

そんなところだった

風邪が治ってきたのか
倦怠感も酷くはない

喉も頭も
一時期ほど痛くもなく

さては

あの特大の
レボフロキサシンが

見事に効いたのかと

暗い部屋の中
ペットボトルを片手に

裸で苦笑いする

「おはよう」 や
「いってきます」 の

痕跡の入り乱れる
液晶画面

僕は

今日という日に
どうやって

ひとつひとつの
線を引けばいいだろう

流れるだけ
流されるだけ

それでも
立派に生きてること

今は、それで十分。

襟足

行きつけの美容室の

担当のスタイリストさんが
退職されるということで

後任の方へ挨拶方々
カットをお願いしに行った

僕の髪型や髪の癖など
細かいことについては

新しいスタイリストに
引き継ぎをしてあるから

安心して下さいと

最後のカットの時に
聞いてはいたけれど

ハサミを入れる立場も

前に違う人が
拘って拘って切っていた

その髪を切るのは
複雑な心境だろうと

僕は、何となく思い

去年の夏前から
しっかりと一年くらい

ロングのストレートで
通してきたので

そろそろ
バッサリと切って

ミディアムかショートで
行きましょうか、と

これから担当してくれる
若い男性に伝えた

美容師という仕事が
どういうものかは

僕には想像もできない
けれど

先輩のしてきた仕事を
そのまま引き継ぎ

なおかつ
同じクオリティを

要求されるということは
とても気の重いもののはず

僕は

新しい担当さんが
僕の髪を見て

これが似合うだろう、と
思った気持ちで

ハサミを入れて欲しかった

髪を纏める癖は
そう簡単に抜けず

いまでも首の後ろに
何気なく触れては

軽く絡まる襟足に
戸惑ったりもするけれど

僕にとっても
彼にとっても

また、新しい
区切り目になったと

そんな気がする

季節は秋
気分転換なら、今だ。

バランス

大きく 「1」 の数字を
表示している液晶に

表現しようのない
新鮮さを感じて

数回、瞬きをした

僕は
移ろいゆくものの中に

変わらない

真実の欠片を
見付けたような気がして

ひとり、ほんの少し
恥ずかしくなった

通り過ぎるもの

その中にさえ
本当があるのならば

今、この瞬間には
どれほどの真実が

飛び交っているのだろう

ネガティブな自分を
笑って眺めている

ポジティブな僕は

真実と対峙して
秋を悠々と歩く

バランス感覚

そう、きっと
これが大切なもの。

雨上がりの匂い

連休が明けて

病院の待合室は
少し、混雑していた

子連れの女性が

ぐずって泣く子供を
「うるさい」 と叱りつけ

僕は

そんなに叱ったら
かわいそうだよ、と思い

それでも

口には出さずに

ニュースサイトを
ひたすら斜め読みして

順番を待った

いつものクスリに
抗生物質をねだり

忘れている主治医に
採血もお願いし

カルテを記入しながら

「何ミリ?」 と聞く
主治医の声に

「800ですね」 と
愛想良く答えると

クスリを受け取って
暗い空を睨み

行き先も決めずに
エンジンをかけた

行き着いた先は
近所の焼肉屋さん

案内された席から
ガラス越しに

夕立に走る
たくさんの人が見えて

ひとり、食べ終えて
店を出る頃には

雨は、止んでいた

一面に漂う
雨上がりの匂いは

食事の味よりも
デザートの味よりも

今日いちばんの
僕のラッキーになった

八月も、あと少し。

走る言い訳

目が覚めると
喉がひどく痛み

やけに息苦しい

ひどい鼻づまりに、痰
またしても風邪だ

どこかに

抗生物質が五日分
落ちていないかと

何もない部屋を
ぼんやり見ていたら

ゆらり、目が覚めた

精神科、内科
消化器科、皮膚科

余りに余ったクスリが

こんなにも部屋に
積まれているのに

肝心の抗生物質が

本当に
たったの一錠も

見つからないなんて

心機一転
外の風を切って

少しバイクを飛ばし

期間限定の
ファーストフードを

上の空で食べる

通院は来週

それまでなんとか
持ってくれたらいい

熱はなさそうだし
起きたら少し楽だし

たくさんの言い訳が

景色と一緒に
流れては消えた

夜の部屋

今日もまた

何か大事なことを
ごまかしてしまった

そんな気がした。