Wish You A Happy Life
降り積もる 雪に未来を 踏む私


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寒い雨の日

夕方まで
さんざん躊躇って

ついに決心した僕は
近所の銀行へ向かった

外は寒くて
小雨も降っていて

道を歩く人たちは

みんな、少しだけ
背中を丸めていた

2月半ば

まだまだ寒い日が
続きそうだな。

読了

明け方の就寝前
枕元で

残り僅かになっていた
読みかけのエッセイを

一気に最後まで
読み終えた

あとがきを読みながら
解説を読みながら

大好きな飲み物の

最後の一口を
飲み干すような

切ない気持ちを
味わっていたけれど

いざ、読み終わって
しおりを最初のページに

ゆっくりと戻し
本を閉じると

何とも例えようのない
幸福感に包まれた

これが
「人の心に響く文章」 なんだと

目から鱗が落ちたような
気がした。

見えない怪我

右半身は

若干しびれが
残っているものの

ほとんど回復

日常生活で
困ることは無くなった

ただ、今度は
背中側

肩の湿疹の部分で

先日の大出血以来
大きな変化は無い様子

というより
背中側で見えないので

三面鏡でも
のぞき込むしかない

というのが
少し、辛い所

怪我をしているのに

その様子が確認できない
というのは

考えようによっては
かなり気になること

まあ、いいか
いつかは治るだろう。

魔法の水

ずいぶん長く
部屋に保管してあった

水を飲んでみると

暖房のせいか
すっかり温まっていて

生ぬるい

それは
「ひと」 の温度に

少し近く
感じられて

何口飲んでも
不安を誘わない

魔法の水のように
思えた

温度というのは
自分で思っているより

はるかに大切な
感覚なんだな。

幸せを願う日

目が疲れた、と

目元に当てた指が
氷のように冷たい

そう言えば
クスリをひとつ

飲み忘れていたと

バナナを
一本齧ってから

キャップを
開けたばかりの

ミネラルウォーターで
飲み干す

今日も夕暮れが近い

少しだけ
時差のある僕は

調べ物を続ける

たくさんの人が
今日、幸せになることを

願いながら。

大出血

横になっていたら
やけに肩が冷たいと思い

手で触れてみると

以前、掻きむしって
湿疹になっていた部分から

大量に出血していた

まるで
オペを終えた医者のように

指から手の甲まで
血まみれになった手を洗い

暫くの間
止血に没頭した

パリパリに乾いて
かさぶたのようだったのに

突然鼻血が出たような
出血をするなんて

余りにも長引く不調に
頭が痛い。

ゴロゴロ

夕食をとり

よく冷えたチャイを
飲んだ

チャイと言えば
ホットで飲むものと

思い込んでいたけれど

冷やして飲んでみると
まんざらでもない

ただ

どういうわけか
飲み終えたあたりから

お腹の様子がおかしい

牛乳では
ゴロゴロ言うけれど

まさか

チャイの原材料名にある
「牛乳」 が

犯人なんてことは
ないよなあ

おいしいから
まあ、いいか。

time flies

ここのところ

正午を過ぎたら
起きるペースだったのに

今日は起きたら
14時を回っていた

友達と話していて

読んだことが
あるような無いような

宮沢賢治の童話を
探して読み始めたら

すっかり
日が暮れていた

何一つ
やり終えていない

一寸の光陰

軽んじているのかな
僕は。

トンネル

少し休もう
休憩を取ろう

そう言いつつ
横になっては

ついつい眠ってしまう

そんな毎日が
延々と続いている

末梢神経障害は
8割方、良くなったものの

掻きむしったせいで
肩には湿疹ができるし

太ももの付け根と尻も

体重を乗せると
まだ、じんわり痛む

満身創痍ではないけれど

怪我と入れ替わるように
気分が急降下したので

踏んだり蹴ったり

長いトンネルを抜けると
そこには一体

何があるのかな。

本の感触

友達から
プレゼントしてもらった

二冊のエッセイのうち
一冊目を

サイドボードの
スタンドの明かりを頼りに

読み進める

紙媒体のほとんど無い
僕の部屋に

文庫本があるというだけで
なんだか嬉しくて

手に持った感触、重さ
紙の匂いを

しっかり確かめながら
少しずつ、読む

子供の頃、登下校の道で

歩きながら
小説を読んでいた

幼い僕が
懐かしく思い出される

ああ
こんな感じだった

ページのめくり方も

栞を本の裏側に
薬指で押さえて持つ癖も。