Wish You A Happy Life
降り積もる 雪に未来を 踏む私


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記事一覧

彷徨の中

大切なひとを
数えたら、たくさんいる

どうでもいい人を
数えてみたら

自分が思っているより
ずっと少なかった

そして
その少ない中でも

一番どうでもいいのは
僕自身だった

愛されたら
愛されればいい

憎まれたら
憎まれ罵倒されればいい

笑う人には笑われ
異物扱いする人たちの前では

異物のふりをして
おどけていればいい

そうやって回るセカイ
そうやって回る毎日

もう

どこへ行けば
僕が僕のままでいいと

言ってもらえるのか

分からなく
なってしまった。

顔遊び

風邪を引いて
出かける気にもなれず

家でやることも無いので

肌ケアを
徹底的にしてみた

まずは洗顔

それから

小鼻などの詰まった皮脂を
ひたすら吸い出す

かなりの皮脂が抜けて
黒ずみは僅かになった

そこで一度、流して

愛用の化粧水
エリクシールシュペリエルを

顔や首筋に塗りたくり

LEDの光とレーザーで

コラーゲンとエラスチンを
健康なサイクルに戻すいう

とてもいい値段の付いていた
アイテムを試してみる

表皮の奥に
適度な刺激を与えるため

オレンジの光とともに
ダイオードレーザーが

微弱な出力で照射され

一通り、あて終わると
肌はプルプルになった

この光がエステで
流行っているらしいけれど

確かにこれは納得する

オレンジというのは
実に素晴らしい

翌日までモチモチに
なってしまうなんて

そして

綺麗になったところで
誰に会うんだか

という感じに
振り出しに戻る

ああ
顔で遊んだだけだ。

秋の睡魔

今日は一日

本当に丸一日
眠り続けて過ごした

起きた記憶は
トイレに数回と

メールに一回

あまりの眠さに
朝食も昼食も省略して

夕方の 16時過ぎに
のそのそと暖房をいれ

起き出した

寒くなってきたせいか
風邪を引いているせいか

睡魔に勝てない

おなかが
ぐうぐと鳴っている

今日の夕食は
美味しいだろうな。

紅茶と悲劇

何も考えずに

ストレートティーの
キャップを開けたものの

空腹の胃には
紅茶はきつすぎて

胸が悪くなる

世の中の
いわゆる悲劇というものは

大抵、こんな風に

ちょっとした不注意や
ほんの少しの思慮不足から

引き起こされるらしい

そう思ってはみても
キャップをあけた以上は

飲まなければいけない

夜の紅茶
好きなのだけれど

どうも体調が
ついてこないらしい

明日は木曜日。

オレンジ色の指先

昼寝から
目を覚ますと

西日の射す部屋が
オレンジに染まっていた

また、一日が終わる

こうして自分が
緩やかに死んでいくという

その事実について

僕はむしろ
楽観視すらしている

凡人のままでいい

ほどほど愛されて
それなりに嫌われて

当たり前のように
死んでいくのがいい

オレンジを見ていると

出会いも別れも
僕にとっては

ただの通過点に過ぎないと
強く、思う

植物のように
ゆっくりと、ゆっくりと

一日を終えたい。

美しい光線

顔の大人ニキビが
あまりにも酷いので

短い毛を
引っ張って抜くタイプの

脱毛機器から

レーザーによって
毛根部だけを破壊するタイプに

変えてみることにした

これで
抜いた後の毛穴から

雑菌が感染するリスクは
減ることになる

問題は
レーザーの出力の問題

火傷をしては話にならないし
弱すぎては脱毛できない

さじ加減が試される所

うまくできるだろうか
まあ、何とかなるだろう

腕、脚は今まで通りとして
顔とワキをレーザーで

優先的にやっつける

とはいえ
半年くらいはかかるもの

飽き性の僕が
どこまで続けられるのかが

一番大きな
疑問だったりする。

憂いと崩壊

ゆっくりと育つものも
世界にはたくさんある

けれど

ゆっくりと育ったものは
往々にして

一瞬で崩れ去る

胃が痛くなるくらいに
何かを憂うとき

そのことについて
先立つ思いを抑えるのは

最早、不可能で

僕はひたすら
理解を求めるためという

下らない名目のもと

大切なものを
壊しては失してゆく。

宵の徒然

一昨日は
古い友達とお酒を飲み

昨日は
夜まで一日寝ていた

夕食を食べたら
活動開始

したのはいいけれど
やることが無い

ゲームに熱中するほど
集中力は無いし

ただ漫然と
人の書いた文章を読み

気になっていたことを
思い付いては調べ

そうこうしているうちに
時は進む

おかしな生き物だな
人間というのは。

見失う「僕」

「僕らしい」
という言葉の中には

どれだけの錯覚と
どれだけの空虚な理想が

含まれているのだろう

僕の安らぎと
アイデンティティーは

ここにこそ在る、と
信じていたのに

それが次々に崩れ
行き場を無くしてしまう

健康も、知識も

大切だった人たちが
傍にいることも

何もかもが
僕が僕でいるためには

必要なことなのに
叶わない

抜け落ちた 「僕」 を
捜しているうちに

朝になってしまった。

備えと憂い

目の前に

補給したサプリや
化粧品の山を並べて

ここ暫くのソワソワが
落ち着いたと思ったら

一気に気が抜けた

食糧でもあるまいし
三日や一週間なかったとして

どれほどの被害も
ないものばかりなのに

「無くなった」 という
ただそれだけで

パニックを起こしてしまう

そして予備をたくさん
買いすぎてしまい

金欠に陥る

ああ、始まった
またいつものパターンだ。