Wish You A Happy Life
降り積もる 雪に未来を 踏む私


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記事一覧

心音

二人で過ごす 夜の
数を数えなく なっても

恋をした あの頃と
同じように 貴方の命を聴く

ゆっくりと はっきりと
貴方の胸から 響く

力強い 鼓動の音を
確かめながら 願いを賭す

愛する 喜びを
守り抜く 勇気と強さを

愛される しあわせを
何より 貴方の大切さを

教えてくれた 命の音
こんなにも 懐かしいのに

どうしてかな
涙が 止まらないよ。

追伸

満足そうな 顔をして
隣で 寝息を立てる
不機嫌そうな 顔をして
横を向いて黙り込む

得意げに 笑いながら
笑えない 冗談を言う
その どれとも違う顔で
別れ話を したよね

思い出とは 真実よりも
美しく 見えるものと言った
貴方は この日が来る覚悟で
飾らずに 傍にいてくれたんだね

夜ごと眠れず 悩み抜いて
一人で 抱え込んでいた
気持ちが 渇いた心に刺さって
恋が 幕を下ろしていく

もう一度だけ あと一度だけ
貴方と 話せる日が来たら
楽しかったと 苦しかったと
最後に 素直な私になって

ごめんねも ありがとうも
大好きも 大嫌いも
残らず 貴方に伝えたい
貴方との日々に 報いるために

ごめんねも ありがとうも
当たり前に 思っていた
貴方の弱さを 強く責めた
あの日の私を 贖うために

追伸 大切なひとへ。

夕立

約束の週末 改札抜けると
激しい雨の前 一人立ち尽くす

ここで待てば 貴方に逢える
不安を映す雷に 心を言い聞かす

お願い早く 迎えにきてね
夕立が私を 隠す前に
傘を持たずに 出たその理由は
私の秘かな 賭けだから

身動きできない 人集りで
高く挙げた手に 貴方を感じた

躊躇う私も 少し手を挙げてみる
二人だけのサイン 涙が込み上げる

お願い早く 笑顔を見せて
黒雲が私を 詰る前に
心を弄ぶ 夕立に
私の願いを 託したから

お願い早く 手を繋いでね
人波が私を ただの人にする前に
私は貴方の 特別でいたいと
激しい雨を見て 祈ったから。

ふわり

春風の中を 歩く
貴方の 腕に触れる

手を繋ぎ 辿り着いた
静かな 池と芝生

喧嘩して 無口
貴方の 腕を引いて

早足で あの日も来た
大切 忘れないで

水面に ゆらり
貴方と ゆらり

柔らかな 日差しの下

心に ふわり
春色 ふわり

真っ直ぐな絆 香る

さざ波に 目を細める
貴方の 隣に立つ

優しげな 瞳がまた
私の 恋を急かす

この場所 あの時
いつでも 貴方を

誰より 大切
いちばん 大好き。

春風

春風にふたりの夢が薫る午後

ホワイト・バレンタイン

想いを 口に出来ず
今年も 貴方と一緒に
恋が行き交う 窓の外を
眺めて 話し込んだ

二人 帰る途中で
寄った 駅前のコンビニ
開く自動ドア 貴方の背中
私は 心を決めた

私も 買ったら出るよ
少しだけ 外で待っててね
袋のままで 俯きながら
差し出す 安いチョコレート

「これ、あのね」

言葉に 詰まったまま
泣きそうな私に 貴方が
いつもと同じ 優しい目で
笑いながら 答えてくれた

「大好きだよ」

ここで 二人で食べよう
泣き出した 私の両手に
チョコの箱を乗せ 照れながら
ポツリ 貴方が言った

「記念日だよ」

友達のままでも いいと
諦めかけていた 私に
思いもせず 舞い降りてきた

最高の バレンタイン
貴方らしい ホワイトデー

あのね、大好きだよ。

雪解けの道

冬の朝 染まる息
雪解けの道 足音ふたつ

寒いねと 探る眼差し
寒くないよと 笑う私

こうして二人 当たり前に
並んで 歩く道は

心いっぱい 温かくなる

切ない 気持ちのかけらを
ゆっくり 解かすように

冬の朝 晴れた空
駅までの道 繋いだ右手

寒いねと 繰り返す声
寒くないよと 拗ねる私

少し 泣きそうになる私
ねえ、温かいよ。

今夜すべての幸せを

通り過ぎる 月日が
ゆっくりと 貴方を蝕んで
月の輝く 夜に
愛さえ 奪っていった

笑わない 貴方が
ゆっくりと 時を蝕んで
星の瞬く 夜に
心が 荒んで錆びた

眠れない 午前一時
私は 私は ここにいるよ

今夜 すべての幸せを
貴方の胸に 届けよう
かなしさや 空しさや
憂鬱 ぜんぶ蹴散らして

今夜 すべての幸せを
貴方の笑顔に 変えよう
泣きながら 笑いながら
歩いて 心のままに

ねえ 聞こえるでしょう
強くて 懐かしい鼓動 今も

今夜 すべての幸せを
貴方の胸に 届けよう
かなしさや 空しさや
憂鬱 ぜんぶ蹴散らしながら

今夜 すべての幸せを
貴方の笑顔に 変えたら
向かい風 受け止めて
歩いて 今を信じて

泣きながら 笑いながら
歩いてね 貴方らしく。

またね

永遠に 優しい貴方は
最後まで 私の嫌いな
さよならを 言わなかった

電話するのは 私の役なのに
大切な話が あると
貴方らしい 静かな決意

改札 手のひらを合わせ
別れ際 交わす言葉は

さよならが 言えない私のため
二人で 選んだ
「またね」 だったから

もう二度と 話さないと
決めた貴方は 話が終わる頃
言葉に詰まり 黙ったね

さよならを 言っていいんだよ
新しい貴方の 幸せのために
さよならを 私から言うよ
貴方は迷わず その人の傍にいて

それじゃ、またね
私の好きな 言葉は
新しい 大切な誰かと交わす
遠い贈り物 貴方へ

さよなら 元気でね。

待ち合わせ

光揺れる 夜の駅前
貴方を 見つけたら
ほんの少し ためらう

幸せは 過去や未来より
目の前に ある時が
ずっとずっと 怖いから

笑顔を作る 私
上手に 笑えているかな

私を見つけた 貴方が
魔法のように
優しい目の人に変わる

コンビニの
袋をぶら下げ 歩く
貴方の腕に 触れた
もう どこへも行かないで

当たり前に
私の 隣を歩く
貴方がここにいる
もう どこへも行かないで

お願い
どこへも行かないで。