静かな雑音の中で
失ったものと
手にいれたいものを比べる
失ったものは、何もかも
全てが大切なものだった
けれど
手に入れたいものは見あたらず
もしあったとしても
大切には思えない気がする
そうやって
いろいろな人や
ものを追いかけてみると
過去が常に
現在よりも輝いて見えるものだ
という言葉も
ただの言葉遊びではなくなる
「今」 を生きられるひとは
幸せだ
僕はこうして息をしながら
何ひとつ
自分の生きた証を
残すことができずにいる
だから
「時間など止まればいい」 と思うし
こんなにも
張り詰めた静寂の中に
耳が痛くなるほどの
雑音を聞いているのだと思う
僕が本当に欲しいものは
何だろう。