打てば響くような
やりとりを
煩わしく思うことがある
僕は昔から
よく響くひとが好きだった
意志がはっきりしていて
遠慮や水くさい気遣いをしない
純朴なひとが好きだった
それが最近になって
なぜか
「響かないひと」 に
惹かれるようになった
無口で考えていることが
曖昧にしか伝わってこない
僕や
周りの人たちよりも
ほんの少しだけ
温度が低い人たち
そんな人たちと
静かに笑顔を交わしたとき
世界の何もかもを超えて
一瞬で心中を
分かり合えたような
気持ちになる
その幸福感にどうやら
取り憑かれてしまったらしい
少しずつ少しずつ
無口になっていく自分にも
慣れ始めている
夏は
こんなにも暑いのに。