最近ふと
自分の体調と
亡き母の願いについて
ぼんやりと
考えることが増えた
母が願ったのは
僕が何かを見つけ
豊かではなくとも
何とか生きていくための
「道」 を手にすること
日々衰弱する中で
母が
最後の希望としたのは
当時の僕の
別れたばかりの
恋人との未来だった
もちろん
僕の家庭の事情に
別れて親友に戻った人を
巻き込むわけにはいかない
けれど
せめて母の余命
数ヶ月ほどの間だけでも
僕が
彼女に頭を下げて
相変わらず
うまくいっているよと
そのうちに
いい知らせがあるよと
罪のない嘘を
一緒に
吐いてもらうわけには
いかなかっただろうか
過去に逸した
仮定の発案に
声を上げて
喜ぶ人は居ない
そう思っても
消化不良のままの
たくさんの選択肢が
弱気になる夜には
薄く光っては消える
前へ、もっと前へ。