椅子に座ったまま
だらしなく
机に寄りかかって
物思いに耽りながら
時計は
午前四時へと向かう
まるで
世界の半分が夢で
残りの半分が現実のような
不思議な感覚の中
暗闇を
壁伝いに歩くように
ふわふわとした
空気を吸っては吐き
まるで異国のような
見慣れた狭い自室の中で
「ああ」 と
何か分かったかのように
やおら背筋を正す
この瞬間も僕は
昨日と同じ
あるいは一年前
十年前と同じ重さの
一秒を生きていて
いまの僕の姿は
これから訪れる僕の
記憶の一部分へと
刻一刻と変わっていく
無力感よりも
他のどんなことよりも
今という時間を
納得して過ごせない
そのもどかしさが
背筋から這い上がっては
頭の先に
鈍い痛みを残して
ありふれた毎日へと
ただ流れ出していく
悪あがきではない
本当の解決は
僕の手の中には
きっと今は無いのだろう
せめて、明日へ
生きるために。