日々
疎外感と異様な高揚感を
持て余しながら
眺める湿度の高い夜は
「独り」が突き刺さる
この部屋で、この街で
この国のどこかで
何人もの人に認められ
信頼され、愛されてきた
そのすべてを
ことごとく裏切り
失望感と憤慨だけを残し
ひとり卑屈に隠れている
そんな心持ちになる
街中が
バレンタインで賑わう中
何ひとつ
可笑しくない振りをする僕は
そろそろ、晩年に
差し掛かったのかもしれない
被害妄想、誰かの善意
表層的な繋がり、計算された嘘
焼きが回ってしまった僕に
それを捌き切る精神力は
もう、残っていない
窓の外に耳を傾ける僕には
秒針の音だけが聴こえた。