お気に入りの邦画
「恋空」 のDVDを
一人、恍惚と観て
今日は涙に暮れた
主人公のヒロは
恋人との間に宿った命を
流産で亡くし
その恋人の人生を
幸せに導きたい一心から
敢えて嫌われ役を演じ
彼女を遠ざけ
晩年、再会を果たし
事実と想いを告白するも
ガンとの過酷な闘病の末
朦朧とする意識の中で
恋人に
「笑って」 と
最後の言葉を投げかけ
その涙目の笑顔を見届けて
帰らぬ人となる
僕がこの作品に
痛く共感を覚えるのは
主人公のヒロが
親子三人
水入らずの生活を
何よりも望んでいながらも
襲いかかる病苦に
抗う術もなく
「死にたくない」 と
恋人にだけは
泣きながら本音を告げ
社会からも
生物学的にも
封殺されていく姿に
あまりにも自分の姿が重なり
共感するからだろう
明るく振る舞えば
振る舞うほどに
滅びの姿が浮き出てくる
だから
意図的に人を遠ざける
セカイにも人にも
僕は、もう
興味はないのだから。