昨日の深夜
地震があったらしく
真っ暗な部屋に
明々と光る
モニタを前にした僕を
随分と長く揺らした
震災以来
テレビに映された
家族を捜す人々とは
また少し違う
カタチのあるものや
無いものを
ゆっくりと失いながら
僕も相変わらず
生き残っていて
哀しみは
あの、3月11日に
突然、どこかから
湧いて出たような
そんな大袈裟な
ものではないのだと
曖昧に苦笑する
哀しみなら
いつだって目の前にある
喜ぶ人の背中には
哀しみが
出逢う人の影には
別れが見え隠れしていて
そんなことは
子供の頃から
重々承知だった
僕を 「人嫌い」 と
評価した人たちは
おそらく
僕の背中に付いてくる
僕自身の
哀しみの影を
見てしまったのだろう。