汁だけになった
カップ麺の容器から
人工的な
豚骨スープに似せた
湯気が上がった
夜、22時
油から離れて
何層にも分離してゆく
その
ニオイのする液体を
割り箸で
ゆっくりとかき混ぜ
僕は、ほっとする
なぜなら
この器の中のものは
混ざっていなければ
意味を成さないからで
きっと
人間関係においても
ほどよく中和され
念入りに
かき混ぜられてこそ
その実体を感じられる
そんな 「何か」 が
目に見えず存在するのだと
ふと、思う
差しあたり、僕は
表面に分離している油
といったところだろうか
いつもより
少しだけ鼓動が速い
週末が、近い。