Wish You A Happy Life
降り積もる 雪に未来を 踏む私


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無機物の最期

ベッドの脇に置いた
電気スタンドの蛍光灯が

今日は数回、明滅していて

それがいよいよ
頻繁になってきたので

じっと見つめていたら

蛍が光を失うように
パッと消えてしまった

僕は就寝前に
ベッドで色々なことをする

携帯やウォークマンや
電子辞書はいつも手元にあるし

充電ケーブルも引いてある

身体の調子が悪い時は
ノートPCも持ち込む

ただ、スタンドライトが
消えてしまったら

本を読むのに、困る

そんなことを思いつつ
蛍光灯が切れた瞬間を

思い出してみると

単なる 「消耗品の寿命」
なのだけれど

ひとつの 「生命」 が
終わる瞬間に立ち会ったような

寂しく複雑な気持ちになる

新しい電球を買えば
またスタンドは光るだろう

でも、何年もの間

就寝前の大事な時間を
分け合ってきた電球は

二度と、僕の影を
壁には写さない

無機物が壊れて
こんなに悲しいのは

初めてだな。

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