Wish You A Happy Life
降り積もる 雪に未来を 踏む私


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記事一覧

温度差

暑い暑いと
冷房をきかせる部屋も

ベッドに寝転ぶと
不思議と肌寒く感じる

眠剤が効くまで

何かと生きづらそうな将来や
行方の知れない人生を

ぐるぐると思い憂う
それまでのこと

笑える
目が覚めたらまた

いつもみたいに。

伝染

喜びや、悲しみが
周りの人間に伝染するのなら

自信のなさや、怖れや
憎しみや、失望や迷いや、躊躇いも

同じように伝染すると
気付いた

でも自分には
その感染力に抗って

周りの人を
いつも笑わせているだけの

力が無い

何も言えず口を閉ざして
見ていることしか出来ない

つくづく
生きることは残酷だな。

タイムマシーン

駄目だ
どうやっても気分が晴れない

思い出すのは
昔のことばかりで

今の自分は
情けなくなるばかり

調子が良くて自信過剰で
好奇心旺盛で女ったらしで

節操が無くて

世間知らずで
楽しいことばかりを追いかけていて

本当にバカで
どうしようもない奴で

それでも

今よりずっと
たくさんの人に愛されていた

学生時代に戻りたい。

戦争

人が死んでゆく
人が命を捨ててゆく

平和な世の中だからと
死ぬような奴が軟弱なんだと

戦いを知らない世代が
笑う

彼らには見えていない

この歪んだ社会や
苦しい病や

激しい競争の日々と
休まずに戦っている

血まみれの姿が

敵が人間でなくとも
弾丸の一発も飛ばずとも

僕たちは戦争をしている
今、この瞬間も。

学生気分

たいした生産もせず
世界に貢献していない自分が

まがりなりにも
毎日働き、何かを生み出し

あるいは
何かを育てている人に

説教臭いことを
勢いで調子良く話してしまい

辟易する

賢いと言われれば
多少は

得意な分野が
あるかもしれない

正しいと言われれば

確かに正論を
唱えているかもしれない

けれど

理論で
飯は食っていけない

正論だけで
世の中は動いていない

その辺りが
いつか自分の致命傷になる

「学生気分が抜けない」 か
まったくだ。

不条理

現実の不条理さに
気持ちが折れそうになる時

布団に入って
天井を見ながら

「このまま眠り続けていたい」 と
思うことがある

生きることは
苦しみに満ちていて

世界には
邪悪が渦巻いているように思う

けれど

世界が汚く見えるのは
自分の心が

汚れているからかもしれない

人が冷たく見えるのは
自分が冷たいからかもしれない

例えば、一歩先を往く人の目には
どんな色に見えているのだろう

この不条理な世界が。

過食

眠剤、追眠の甲斐無く
微塵の眠気も催さないまま

朝になってしまった

冷凍食品は飽きたので
コンビニへ買い出しに行ったら

弁当にデザートに
菓子類にジュースに

なんやかんやと
3000円以上も買ってきて

そのほとんどを
一瞬で食べてしまった

やれやれ、過食再び

これで精神のバランスを
保てているのだと言い聞かせるが

毎度のことながら
自分自身は納得しない。

味方

数ヶ月ぶりの
受話器越しの声が

ぼやけた頭に
冷水を浴びせるようで

とても心地よかった

味方が増えることは
嬉しい

僕のことを
良く知る友なら尚更

つまらぬ言い争いは
「お互いに病人だから」 という

魔法の呪文で
片づけられた

切れた関係、繋がる関係
深まる関係、遠ざかる関係

絶えず
変動し続ける世界で

僕はアイを見ることができるか
直視することができるか。

土曜日

5月最後の一日を
どうやって過ごそうかと

考えてみるけれど

特にやりたいことも無く
おまけに雨まで降るらしいので

普通の土曜日になりそう

しかし
時が経つのが早すぎる

こんなペースで行ったら
あっという間に年寄りになる

ちょっと言い過ぎか。

惑星

理不尽な挫折と
必死で闘っていた頃

体中の骨を
折られるような思いで味わった

惨めな気持ちが

未明の明るさに
ふと蘇る

僕はまだ
生きているだろうか

真っ直ぐに、前向きに
生まれてきた意味を

この惑星に
刻んでいるだろうか。