Wish You A Happy Life
降り積もる 雪に未来を 踏む私


[ すべて表示する ]   [ 作品集サイトへ ]   [ フィード購読 (RSS) ]     
login

記事一覧

病気上等

危険に立ち向かえば
危険は半分になるが

背を向ければ
危険は倍になる

そんなチャーチルの言葉を
心に刻む

いつも背を向けては
痛い目に遭ってきた

もうそろそろ
地面を這い蹲るのは

終わりにしたい

けれど

それを邪魔する病が
脳味噌にはセットされている

病気上等
ウツが怖くて人間できるか。

二度目の鼓動

眠れないので
冷房を入れたり切ったり

落ち着きが無い

秒針の音が
まるで心音みたいだ

時計の針は
何回も回れば

何度も
同じ場所を踏める

けれど心臓は
同じ速さ、同じ強さのようで

同じ鼓動を二回と打たない

今を生きているという
実感がもっと欲しいんだ

精一杯、戦っているか

「それでいいんだよ」 と
僕に言ってやれるのは

今は、自分だけでもいい。

無限回廊

何かを知るということは
恐ろしいこと

知らなければ
見えなかった現実が

眼前に迫ってくる

それは
時には哀しくて

抗う術もなく残酷で

心を抉られるような
痛みを連れてくるけれど

知らなければいけない
立場もある

そういう巡り合わせもある

だから、怯えながらでも
何かを知りたいと願う

キミには見えている?

僕が知り得なかった
たくさんの現実が

時を同じくして
今起こっている

たくさんの空しさが。

石の棺

いま僕は

コンクリートで出来た
大きな石の棺の中にいる

飲み下す頭痛薬と
ベッドに染みついた汗のニオイ

一日中
この箱の中に転がって

子供が地球儀を回すように

どうでもいい
退屈な景色を見ている

時々、小さく呻く

滴り落ちる汗を舐める
生き物の味がする

僕は何のために
ここにいるんだろう。

前進

月が変わった

この夏は
多くのものを失い

同じくらい多くのものを
得るだろう

けれど、出来ることなら
目を閉じていたい

良いことも悪いことも
過ぎてしまえば

どうでもいいことに
変わってゆくのだから

一秒を前に進めるために
今日も生きてる。

海底

いろんな事が
どうでも良くなった

生きていることも
人と関わることも

物を口にすることも
娯楽に興じることも

人から好かれることも
憎まれることも

見放されることも

愛想を振りまくことも
振りまかれることも

真実を語ることも
上手な嘘を吐くことも

ここに存在することも
明日存在することも

どうでもいい
全部、忘れたい。

物語

部屋を真っ暗にして
凌ぐ数時間

思い出しても
仕方のないことばかり

追い掛けてくる

暗闇にいると
自分が過去に戻れそうで

窓の外が
あの日の景色に戻っていそうで

それは未練なんかじゃない

今までもこれからも
ずっと続いてゆく

自分だけの物語。

背中

夢の中で
レースに出ていた

コーナーで何度も競り合う
前のバイクが

どうしても抜かせない
もう駄目か

最後の一台を抜けば
何もかもが手に入るはずだったのに

その一台は
自分の背中のように見えて

最後まで
追い抜くことはできなかった

目が、覚めた。

2リットル

孤独感と喪失感に
押しつぶされそうになって

水を 2リットル
夢中で飲み干してしまった

もしも
地球が丸ごと無くなれば

誰も悲しませることなく

全てを
終わらせることができるのに

なんて

意味不明なことを
考えつつ

次のボトルを開ける

ロキソニンが切れてきた
喉が痛い。

秒針

部屋の壁に時計を掛けた

アナログで秒針付き
音も聞こえる

一秒が過去になることが怖くて
時計を外してしまった日から

何年経っただろう

今は針が一秒を刻むのも
何だか悪くないと感じる

大好きな黒とシルバーの時計は
回り出した

これからこの時計は
何を見て、何を刻むのかな。