Wish You A Happy Life
降り積もる 雪に未来を 踏む私


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無言のプレゼント

今日も
日射しを避けながら

近所のフードコートへ
昼食をとりに行った

何を食べようかと
さんざん迷い

ある飲食店の

立て看板に
書かれたメニューを

睨んでいたら

突然、僕の前に
小学校低学年くらいの

帽子を
逆さまにかぶった少年が

おどけて、変な顔をして
飛び出してきた

僕は、思わず笑い
しばらく少年と目を合わせ

少年が引っ込んだ隙に
また、メニューを睨んだ

数十秒くらい

少年は
何か思案していたけれど

またしても
飛び出してきた

僕は
二度目は意図的に

笑う素振りを隠してみた

すると

なんと彼は
別の振り付けを考え出し

その、へんてこなポーズで
僕の視界に飛び込んできた

完全に僕は負けて
大いに笑ってしまった

彼も笑っていた

そうしているうちに
改めて感じた

人間は本能的に

「他者を喜ばせたがる」
生き物なのだと

彼がくれた笑いは
食事が済んでしまうまで

僕のカラダに
ずっと響いていた。

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