Wish You A Happy Life
降り積もる 雪に未来を 踏む私


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主人公

これといって
疲れることもないのに

「お疲れ様」 を
振りまいている自分が

少し、汚く見えた

それでも飲み下す
冷たい缶ビールの味は

僕を現実に
繋ぎ止めるには十分で

こんな一缶の酒さえ
良い気分で飲めない人が

まだ大勢いるのかと思うと

なんとも後ろめたい
複雑な思いがしたけれど

いつだって人間は

自分に都合のいいように
物語を形作っては

何食わぬ顔で
偶然のような振りをして

その物語の主役を
演じたりするもの

それでいいんじゃないか
いや、いいのだと思う

むしろ人間は

自分の幸せをよそに
誰かの幸せを祈れるほど

崇高な生物ではない、と
ぼんやり思う

あらゆる一切の
「綺麗事」 を除いて

自分が一番大事
そして親しい人も大事

他人も少しは大事

その、「親しい」 とか
「他人」 の幅や解釈が

絶えず変化しているだけ

だから、人間臭くて
人間らしい

どこか憂鬱だけれど
晴れ晴れとした気分

なんて書いたら

また、頭がおかしいのかと
思われるんだろうか

明日も雨の予報。

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