夜中じゅう
家の近所の国道を走り回って
睡眠剤の苦味を
自虐的に楽しんで
ただ、ぼーっと
真っ白なコンクリートの壁に
もたれたまま
FMから漏れる誰かの声に
ときどき、気を引かれて
朝になった
連日のように続く
原発や震災関連のニュースも
「今頃そんなことを」 と
思うほどの暢気さで
呆れて気分が悪いので
聞く気にもなれないし
有り金は
持病の通院にかかる分以外
全部募金してしまったから
残高はゼロだ
もう、このコンクリートの箱に
悶々としているしかない
せめて話す相手でもいれば
電話でもかけるのに
なんて
完全に孤独になってから
気づいたところで
遅すぎる
昔はたくさんの人に
愛され、慕われていたけれど
それを頑なに拒絶し
冷酷に縁を切ってきたのは
臆病者の
僕自身なのだから。