ビニール傘


投げ飛ばした 雑誌の束
思い出を ばら撒いた部屋

見慣れた手が 差し出した
少し大きな ビニール傘

気を つけてね
今夜は 本降りになるね

困り顔の 貴方と
ふと 目が合って

困らせてた 悩ませてた
たくさんの 「ごめんね」 に

言葉をなくし 俯いた

こんな風に 毎日が
優しさで しあわせで

満たされて いること

貴方が そこにいること
忘れたくないな

この雨が 上がっても