ピエロ


大好きだった ひとがいた
僕はそのひとの 笑顔が欲しくて
ひとつだけ 願い事をしたんだ

僕をピエロにしてください

古ぼけた アンティークショップの
片隅に置かれた 僕のことに
あのひとは 気づくだろうか

ゼンマイ仕掛けで 動く
変なメイクの僕を見て

限りない 悲しみに
傷ついた あのひとは

いつの日か
笑ってくれるだろうか

その日を僕は ずっと待っている