冬の靴音
笑いながら 泣いていた あの人を 私は 救えなかった どんなことでも 乗り越えてゆけるさ という 祈りにも似た 言葉は 貴方の 心に 最後まで 届くことはなかった 離れ離れに なることが 別々の イノチを歩むことが 二人を 生かす道だなんて 未だに 信じられない 信じたくは ないけど 手を 繋いで 二人 一緒に歩いた舗道に 一人きりの 乾いた 靴音が響いて 冬の音を 奏でた