花火
人だかりを 避けて
少し離れて 観る花火
隣で貴方が ぽつりと
綺麗だ と呟いた
色とりどりの 花が
咲いては 散ってゆく夜空
代わる代わる 見比べた
哀しげな 貴方の瞳
私の心を 急かすように
貴方の胸を 締め付けるように
残り時間が 迫るほど
どんどん 美しくなる花火
今だけ 楽しめればいい
そう言って 笑った私は
嘘吐きだね 本当は
永遠が 欲しいはずなのに
ゆっくり ため息をついた
貴方が 私の顔を見て
今にも 泣き出しそうだよと
大きな声で 笑った
優しい笑顔で 笑った