駅
離れていく 背中を
躓きながら 追いかけた
貴方の 澄んだ瞳を
もう一度だけ 見たくて
貴方の嫌う 恋や
愛しか 語れない私を
どうか 見つめ返して
もう一度だけ 微笑んで
溢れる涙 拭うことさえ
忘れて立ち尽くす 私の肩を
貴方の その温かい掌が
もういいんだよと 戒める
好きでした 貴方が好きでした
何も持たない 私だけど
心から 正直に過ごしていた
どうか 忘れずにいてね
愛された 貴方に愛されていた
言葉は無くても 知っていました
何よりも 温かい別れだけが
私を 人混みに返す
ゆっくり遠のく 背中だけが
私を 一人へと返す