情熱
貴方と こうして会うのは
今日が最初で 最後
頼んだ 紅茶が冷めてゆく
無口な 二人の前で
何もかも 知っていたと
優しい嘘を 吐いても
私に 会いたいと思ってくれた
貴方を 誇りに思うよ
小さな 抑揚をつけて
一生懸命に話す 肩を見ていた
何も 怖がらなくていいよ
いまは 私といるから
激しく 心乱された
二人の過去は 褪せても
並んで舗道を歩けば ほら
無口な 笑顔が響く
日だまり 少し避けながら
頼りなげに歩く 背中を見ていた
貴方が 生きていく理由は
ここに 私がいるから
私が 生かされた理由は
貴方ひとりがいるから